向き合って座るだけで楽しかった2人。今はその思い出すら消えようとしています。
冷めるのは料理だけではありません。心も冷めていくのです。
食事が終わってお店を出た後も気持ちは離れたまま。
いつもならその後も一緒に過ごしていたのに、君は別れの言葉のように「じゃあね」を言いました。
お互いが過ごした時間も将来の約束も取り戻すことはできません。
でも君のことをつなぎ止められると思った僕は周りの人にも相談をしました。
僕と君が真剣に向き合った恋、遊びや浮ついた気持ちでは無かった恋。
だからこそ、答えを求めて君を知っている人に話をしました。
(もしかしたらそれが裏目に出たと分かるのはもう少し先のこと。)
メールを「やりとり」したのなら君からも返信が来たのでしょう。
行き交ったのは「ごめんなさい」「こちらこそごめんね」と相手を思う言葉。
別れがつらいのは心の中から好きだった証。ここで傷つけ合うことはしたくないのです。
さよならと告げて別れることは決まっているけれど…。
2人が大切に過ごした恋の時間はそのままで2人の思い出になることを願っています。
「次にあるもの」を見ながら告げる別れの言葉。リアルな失恋ではなかなかできることではありません。
恋が終わったと同時にすべてが0には戻らない…。だからこそ恋の最終章は辛いのです。
どちらも大事にしていたはずだけど
些細なことが…終わりに向かってしまいます
仕事に対する責任と 君に対しての無責任の境目
長い目で見ると 二人歩き出したのに 変わるもんだね
ずれ始める 真面目の俺の 不真面目な時間でずれる価値観
勘違いで生まれるケンカもなく 会っても会話すらもなく
出典: 失恋/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
「仕事と私とどっちが大事なの?」もちろんどちらも大事です。
仕事に対して一生懸命です。だから君に会う時間を作れないことがあります。
最初は無理をして作っていた時間も次第に「今日はごめん」の返事に変わりました。
僕を理解してくれる君なら待っていてくれると信じていたのです。
恋人同士の間にある「価値観」は、男女間とプライドの両方でズレてしまうと修復は困難。
女子だって忙しい中、時間を捻出することもあり得ます。
こんな時は特に「相手のために努力するのは自分だけ」と思いがち。
そこにプラスされる「言った言わない」の言葉の行き違い。
でもそれができる間は2人の恋は続いている証拠です。
お互い言葉をぶつけ合うことを拒否してしまったら、理解し合う時間も無くなります。
別れの原因になる「価値観」に中身はありません。そこに欲しかったのはお互いを思う気持ちだけです。
声はもう届きません
楽な関係になったつもりも 逆に退屈で苦痛な時を
過ごすより 二人より 一人の日 増えてったお互いに
唯一毎日の電話も 祭日のみの冷めた会話に変わり
今では二人の冷静な 別れの文字だけが携帯の中で…
出典: 失恋/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
どうして会ってくれないの?また仕事?友達と会ってるの?
君からのキリが無い問いかけがいつの間にか聞こえなくなりました。
繰り返しの問いに答えを出すのに疲れていた僕。気が付けば君からの返信がありません。
忘れたころに返ってくる返事に気が付いたときは、もう手遅れでした。
声が聞こえているときはあったはずの恋がありません。
返ってくる「終わったね、ありがとう。」の絵文字の無い短い文章。
僕がそれに返した言葉を知っているのは君だけです。
独りで歩く町と見上げる空
君がいない思い出の町
何時からか 何処からか 誓った愛は冷め 夢のかけら
永遠に咲くはずの花は 次第に枯れ始め色褪せた
よく待ち合わせたあの場所へ 町行く人に君の影を重ね
君の笑い声もかき消され 青い空は涙でにじみぼやけ
出典: 失恋/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
君にとって別れは突然では無かったのです。別れの空気は少しずつ濃くなっていました。
君を思う時間を増やせば良かったのか、君の気持ちに近づけば良かったのか、後悔が続きます。
町は君と会っていたころと同じ賑わいのままです。楽し気に歩く周りの人から取り残された僕。
独りで立っている僕に一瞬見えたのは君の笑顔でした。
君がここにいないことを再び思い知らされます。
あの日と変わらず広がる空。晴れ渡る空の下で僕だけに雨が降ってきた錯覚に襲われました。
君に届かない涙で僕に見えている空は色を失います。
今の手の中にあるもの…
うまく笑えなくなったあの頃から 遠くへと逃げ出したここから
電話鳴っても 小さな肩抱いていた 手は重く届かない
抱き合い笑い合い 君の名を呼ぶ日の続きはない
ただ さよならの続きだけが 今この腕には残された
出典: 失恋/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
終わった恋から逃れたくてすべてのことから距離を置きます。
それでも心に残された、君と過ごした時間。
そして電話の着信音や抱きしめたときのぬくもりがよみがえります。
形があるものは何も残さないで恋が終わりました。君の名前を気軽に呼ぶこともできません。
2人の恋は終わるけれど、歌詞はもう一度今回の恋の検証を始めます。