「Tokyo OP」のMADなMV

くるり × 影山紗和子

くるりが2018年9月19日にリリースした12枚目のアルバム「ソングライン」。

そのうちの5曲目に収められた「Tokyo OP」のMVがYouTubeで配信されています

耳を聾するようなサイケデリック/プログレッシブ・ロックが響くのです。

そこにこれまたサイケデリックでMADなアニメーションが融合しています。

百聞は一見にしかず、まずはこの公式MVに触れてください。

このページにリンクを貼りました。

岸田繁の創作意欲はどこまで貪欲なのか?

くるりはどこまで飛翔してゆくのかなどなど色々と考えさせられます。

日本のオルタナティヴ・ロック・シーンでも、くるりほどいい意味で好き勝手ができるバンドも珍しいです。

MVの監督は影山紗和子

新進のイラストレーター、アニメーターです。

くるりと若き才能とのタッグは破壊的な勢いを感じます。

この不思議なMVをともに鑑賞してゆきましょう。

自由奇抜なアイディア

くるりのサウンドを見事に表現

くるり【Tokyo OP】MV解説!カオスすぎる内容に頭がトリップしそう!?怖カワイイ映像は必見!!の画像

「Tokyo OP」はインストゥルメンタルの楽曲です。

歌詞の縛りがない分、映像クリエイターは作品制作の「取り掛かり」がなく不安ではないでしょうか?

しかし影山紗和子は自由で奇抜な発想と絵柄でくるりの音楽を表現します

そこには迷いなど微塵も感じさせません。

あくまでも自分の世界とくるりの音楽を混濁させてみせるという強い意志を感じます。

得体の知れない生き物たち

極彩色の世界

くるり【Tokyo OP】MV解説!カオスすぎる内容に頭がトリップしそう!?怖カワイイ映像は必見!!の画像

ファズ・ギターのリフが奏でられるとともにアニメーションも開始します。

小高い山々のピンク色の空にぽっかり空いた黒き空洞から人間らしき生物が現れるのです。

極彩色の世界。

人間と思ったものが次の瞬間には動物や食物に変化します

どでかいプリンに目と眉毛が描かれている一方で、メロン柄の亀が何匹も登場。

コンピューターのディスプレイの中で鉄砲型の宇宙船に乗り込んだ謎の生物がミサイルを発射します。

自動車の後部座席にハンドルがあり、前方の席でシートベルトをした乗客の姿が観られるのです。

即興的なアイディアが元?

ここまでまだ1分も経ってないのにこれほどまでに支離滅裂です。

アニメーションに規則性のようなものはなく、ジャム演奏と同じように即興で綴られた印象を持ちます

しかしアニメーションの制作の現場で即興という概念はあるのでしょうか?

本当に謎です。

くるりのサウンドが加速する

民族楽器の導入

くるり【Tokyo OP】MV解説!カオスすぎる内容に頭がトリップしそう!?怖カワイイ映像は必見!!の画像

黄色、赤、ピンク、緑、白、青。

あらゆる色が注ぎ込まれるとくるりの演奏も加速します。

岸田繁はこの曲でギター、エレクトリック・シタール、ブズーキ、オルガン、シンセサイザーを演奏

普段聴き慣れない楽器が目につくと思います。

エレクトリック・シタールの構造はエレキ・ギターそのものです。

ただし、弦と胴体の間に特殊なゴムを挟み、弦の振動がユニークな調べを奏でます。

インドの民族楽器であるシタールのような音になります。

エレキ・ギターのようなボディに共鳴弦が張られているのです。

海外ではSonic Youthなどの先鋭的なバンドが使用していました。

ブズーキはギリシャの民族楽器で、マンドリンのネックを長くしたようなもの。

佐藤征史は5弦ベースと「Pro Tools」というプロ・ミュージシャン向けのPCソフトの編集を担当。

ファンファンがトランペット

他にギターとドラムとトロンボーンに各サポート・メンバーが登場します。

合計6人編成で分厚い音を鳴らすのです。

明確な文脈やストーリーはない

快感原則に身を任せて