2013年にリリースされた「目と目と目と目」
アルバム「DOPPEL」に収録
「目と目と目と目」は、KANA-BOONメジャーとしては初のアルバムに収録されています。
ファーストアルバムのリリースは2013年の10月30日。
ハロウィン真っただ中の時期です。
記念すべきファーストアルバムのタイトルは「DOPPEL」。
少々不穏なタイトルですが、同曲も含め「自分と他者」を存分に哲学したアルバムです。
非常にKANA-BOONらしい繊細さをはらんだアルバムともいえるでしょう。
そんなアルバム内で、「目と目と目と目」は7曲目に収録されています。
自主制作シングル「目をとじて」のアレンジ曲
「目と目と目と目」はリリースからすぐに多くのファンを虜にしました。
中毒性のあるリズムとエレクトリックなサウンド。
今までにないようなテイストの曲として、その意外性も高く評価されました。
しかし実は、この曲はもっと前から生まれていたのです。
それはKANA-BOONがメジャーデビューする前のこと。
自主制作シングルとしてリリースした「目をとじて」という曲があります。
この曲は実は「目と目と目と目」の前身となった曲なのです。
改めてアレンジを加えてアルバムに収録したことに、メンバーも非常に満足だったそう。
「目と目と目と目」とは
目への強い意識
タイトルにもあるように、この曲は目を非常に強く意識した曲です。
普段は何気なく交わす視線も、改めて意識するとなんだか怖く思えてきます。
「人に見られている感覚」というのは誰しもが持つもの。
例えば外で恥ずかしくないように身に着ける「マナー」もそういった感覚から来ています。
公共の場では最低限のマナーをわきまえて行動するものです。
それも全て「見られている」という感覚によるものといえます。
これは大人になると無意識のうちに慣れてしまう感覚です。
一方で、この曲はそんな無数の視線に対する意識や違和感などを表現しています。
見つめて見つめ返す目
目とは私たちにとって何をするためのものなのでしょうか。
周囲の景色を把握するためのものでもあり、相手の表情を見るものでもあります。
実際、人間は五感の中でも目に最も頼っている生き物です。
特に私たちが無意識の内に行っているのが「視線の交換」。
対話やコミュニケーションの際に視線の交換は重要です。
相手が自分を判断し、こちらも相手を判断する。
そんなことが目には可能なのです。
そしてそこから得た視覚的な情報のみで、相手の印象を決める場合も…。
「第一印象が大事」という言葉も、そういった背景があるのでしょう。
私たちはそんな無数の目に、知らず知らずの内に「判断」されているのです。
目を意識した日々の生活
目を開いた瞬間にそれは始まる
目を開いて3秒経てば
生活のリズムに飲まれて
目を開いて4秒経てば
生活がリズムになってる
出典: 目と目と目と目/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
この歌詞では、目を意識した生活に順応していく様を表現しているのでしょう。
朝起きて間もなく、いつもの生活がやってくる。
仕事にいくにも学校にいくにも、外に出れば人・人・人です。
すれ違う人も含めればその数だけ人の目があることになります。
しかしそれらの目と上手くやっていくのが社会生活。
周囲の人間とうまく付き合うのは大人になれば当たり前のことです。
こうした毎日のリズムが、時を待たずして朝からやってくるという状況を描いています。
無意識の順応が本当は苦痛
目を開いて5秒経てば
憂鬱が歪んで泣いてる
戸を開いてドと鳴らせば
僕の周りには目、目、目
出典: 目と目と目と目/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪