いちいち二の前踏んだら散々
シゴかれ ロクでもないことばっか
GAME OVER 頭に輪っか
冗談じゃねえ かける言葉で発破
兄弟で RAP GAME 楽じゃねえ
たまには 騒ぎたいだろ朝まで
こん中アガれる奴はどんだけいますか!? (YEAH!)

出典: IKEBUKURO WEST GAME PARK/作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議

「二の前」とありますが、ここで思い浮かぶのは「二の舞を踏む」という言葉ではないでしょうか。

同じ失敗を何度もするという意味で使われます。

しかしここでは「舞」ではなく「前」。二の前にあるもの……。「一」でしょうか、「三」でしょうか?!

ここは二郎が歌っていますので、どちらかの可能性はありますね。絶妙な言葉遊びです。

一郎は弟二人をまともな人間に育てる責任が自分にあると感じています。

ですから、二郎が何か曲がったことをやらかせば容赦なく鉄槌を下します。

二郎は一郎のラップに勝てるわけがありません。天使の輪を頭に乗せてフラフラと天に昇るハメですね。

暴力は振るわないものの、三郎の挑発に全力で乗っかってしまう二郎。

兄弟という近い距離にいるからこそ小さな諍いがあります。

血の繋がりがあるからこそ、曲り道を矯正しなければなりません。

幸せなことであり、少し面倒なことでもあるのでしょう。

実はBuster Bros!!!には、他のチームにはない特徴があります。「学生」がいることです!

二郎は高校に、三郎は中学に通っていますので、一郎から規則正しい生活を強いられていることでしょう。

でも、ディビジョンバトルのときぐらいは許されるはずです。

そんな特別な時間、二人のテンションはダダ上がり

自分たちのテンションについて来いよ、と鼓舞しています。

I’M THE MASTER OF CELEMONY
つまりは MC もしくは MIC CONTROLER
ブクロの片隅
退屈だよなほかの DIVISION じゃ
見せてやるか今以上のビジョン
さあギア上げてくか プライド解放
デケェ態度も解除 大都会のこの音がガイド
させないぜ迷子
俺たちについてくりゃスリル倍増

出典: IKEBUKURO WEST GAME PARK/作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議

「MC」には二つの意味があるのをご存知ですか?

一般的には前者ですが、ラップ界では後者の意味で使われるのが一般的です。

一郎はBuster Bros!!!の司会進行役でありラッパーでもある、ということになります。

他ディビジョンの人間が一郎のパフォーマンスを見ているのでしょうか。

今のディビジョンで狙える高みとブクロで狙える高み。その歴然とした差を見せてやろうと歌います。

イケブクロ代表のリーダーである一郎にとって、見物人なんて無視しても咎められる存在ではありません

それでも彼は、自分たちのラップに何かを見出した見物人を放っておけなかったのでしょう。

退屈な日々を変えてやる、と歌います。

恥ずかしがらずに

みんな参加型 そこのお姉さん方も
FLOW で BLOW 浸かる長風呂 (おい)
嫌よ嫌も好きのうち
音の前じゃ君と僕も同じ
俺らの前に道はなし 未知な端
でも逃げる意味はなし 声枯らし
今が最高ならそれだけで GOOD TIME
見てるぜ!恥じらいに言えよ GOOD BYE

出典: IKEBUKURO WEST GAME PARK/作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議

突然出てくる「長風呂」という日常の光景。これにはどんな意味があるのでしょうか。

流れるようなラップを続けていると肺活量を使いますし、ヒプノシスマイクを使うとなれば疲れは相当でしょう。

そこで、風呂でゆっくりしようぜ、となるわけです。

周囲で見ている人々に「声を出せ」と言っても拒否されるかもしれませんね。ちょっと恥ずかしい……、などなど。

しかしBuster Bros!!!に興味があるということには間違いがないのです。

彼らは自分たちが特別な存在だとは思っていません。

ですから、能力があろうがなかろうが、言葉を音に乗せる行為は誰にでもできることだと歌っているのではないでしょうか。

今MAD TRIGGER CREWとのバトルに臨む彼らは、勝てば決勝への道が見えるはずです。

しかし負ければ崖下に転落してしまいます。

勝つためには、リスナーの力が必要です。

もしも今Buster Bros!!!の音にのめり込んでいるのなら、羞恥心なんて捨てて叫ぼうぜ!ということでしょう。

本当に声優なのか疑いたくなるスキル

Buster Bros!!!ならではのスキル。そして山田一郎のスキル。

聴き惚れてしまうセクションです。

光る連携プレー!

ここがブクロの片隅 ウェストゲートパーク
兄弟でサイファー ラップ PASS DA MIC
爆音の BEAT キメる深夜零時
誰もがアガる FLOW 韻を提示
刻む新たな1ページ
声を大にして君も意思表示
集まった HEADS もみんな調子どうなんだ?
見てるよ 君が生き証人
BREAK!

出典: IKEBUKURO WEST GAME PARK/作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議

直訳すれば「西口公園」となります。

実際の池袋西口公園は「公園」よりも「広場」のほうが適切かもしれません。

アスファルトの足元と周囲を囲うビル群。街中に中途半端に空いた土地というイメージがあります。

「片隅」という表現に頷けますね!

ヒプノシスマイクのラップは「即興ラップ」であり、他ディビジョンもそれを前提に曲が作られています。

その中で、この曲には他ディビジョンでは多用されないスタイルが取り入れられていることにお気づきでしょうか。

三人が入り乱れるように代わる代わる、短い韻文を更に短く分けて歌うのです。

誰かひとりがリズムを崩せば台無しになってしまいますが、この曲はお見事!

マイクをパスする、という表現がぴったりですね。

さて、バトルでテンションは上がり続け、真夜中を迎えます。

日付けが変わると投票が締め切られ、ジャッジメントの結果によって新バトルに進めるかが決まるのです。

いつ始まった?いつ終わった?

泣く子も黙る一郎の BEAT

言えよ HOO!SAY HOO!
言えよ BUSTER BROS!!! STILL NO.1
言えよ YEAH!くれよ YEAH!
もっと言え!最後 さ・わ・げ

出典: IKEBUKURO WEST GAME PARK/作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議

黙っている人も更に黙ってしまう、木村昴さんのビートボックスが披露されるパートです。

どこからがビートボックス?!あまりにもハイレベルなボイスに言葉が出ません。

そんな一郎のビートに支えられ、二郎と三郎がリスナーを鼓舞します。

こんなに凄いビートを聴いたら抑えられないだろう?といった感じでしょうか。

ブクロのリスペクト