URCHIN PHANTOMのPVにファンが驚く!
名古屋出身のメロコア3ピースバンドのTHE ENTHがまたまたやってくれました。
毎回ファンの意表を突くPVを発表してきた彼ら。
今回は著作権ギリギリのパロディ要素満載のアニメーションPVを発表してくれました。
紹介するのは6/20に発売された「だいぽん起きろ」の収録曲である「URCHIN PHANTOM」のPV。
2分14秒という短さで突っ走る爽快なパンクナンバーですが、やはり目を惹くのは映像の方。
某アニメや某格闘ゲームのパロディと悪趣味なアニメーションでくらくらします。
このコミカルなPVの内容とは裏腹に、意外に真面目な歌詞と合わせて解説します。
冒頭は大人気アニメ「北斗の拳」のパロディ
辺り一面砂漠、そして地平線からゆっくり3人の男が姿を現す・・・。
このシチュエーションには見覚えが・・・。
そう80年代に一世を風靡した人気アニメ「北斗の拳」のパロディをやっているのです。
なんとも恐れ入らずで、痛快ですらあります。
THE ENTHのメンバー3人が北斗の拳のキャラクター風に描かれてます。
これはファンならずとも驚きを隠せない。
絵のタッチも決して上手いとは言えないけど味があって良いです。
いきなりサビから!歌詞は意外にナイーブ
冒頭からメロコア全開のサビに突入するわけですが、歌詞の内容がコミカルな映像と少しギャップがあります。
ああ、どこ行けば自由を探しだせるだろう?
あの日の続きを君と見たくて
出典: URCHIN PHANTOM/作詞:Daiki Kato 作曲:Daiki Kato
かなり切実な悩みが伺えます。
今や「COUNTDOWN JAPAN 」や「VIVA LA ROCK」など大型フェスに出演するほどの人気バンドに成長。
ですがこの歌詞には何か満ち足りない、ここにはないどこかを求めてる彼らの姿があります。
人気が出れば出るほど、周りからのプレッシャーに押しつぶされそうになるもの。
不安や焦りなど、程度の差こそあれTHE ENTHも例外ではないはず。
砂漠をあてもなく歩く彼らの姿は一見コミカルですが、今の自分たちの状況をうまく表現している言えます。
とはいえ、やはりふざける事を忘れない(照れ隠しともいえる)彼ら。
最終的には筋肉隆々とさせたのち服が破れほぼ全裸になるメンバーが笑えます。
原作者に怒られないかちょっと心配です。
世界観がガラリと変化!ひたすら血を抜かれてます
00:30~北斗の拳のパロディが終わると、また世界観がガラリと変わったアニメーションが続きます。
見た目は可愛らしい子供向けのカートゥーンアニメーションですが内容は少々グロイです。
3人並んで拘束され、かわいいくまちゃんに、手押しポンプでひたすら血を抜かれてます。
そしてメンバーの血が溜まった「BLOOD BATH」に浸かるバクや、美味しそうに血を吸うウサギと犬の姿。
かなりシュールな絵です。
これは、メンバーが死に物狂いで創作した音楽(血)を消費していくファンを表しているといえなくもないです。
もちろんファンの批判をしている訳ではないのでしょうが、創作(血)といのは無限ではありません。
いつか才能が枯渇してしまうのでは?という漠然な不安が、この可愛くグロいシーンに表現されてますね。
具体的なメンバーの悩みが歌詞に
拘束されながらも必死に歌う歌詞の内容は、メンバーの切実な悩みでした。
僕にはこれしかない、そのくせ歌には中身がない。
口ばっかり達者で何もわかってない、なんにもない。
それでもやるしかない。
出典: URCHIN PHANTOM/作詞:Daiki Kato 作曲:Daiki Kato
かなりぶっちゃけた心情を吐露しています。
ただ、「それでもやるしかない」という言葉には弱々しくとも、踏ん張りたいという気持ちが見えます。
そんなふうに言われると、ファンとしてはますます応援したくなるはず。
こういったナイーブな歌詞ををあえてパンキッシュなサウンドに乗せて歌う。
歌詞とサウンドのギャップがあることで、独特なエモーショナルを生むことに成功しています。
そしてまたもや照れ隠しのおふざけも忘れていません。
00:40付近で一瞬でメンバーの一人だいぽんが半裸で登場します。
これはサブリミナル効果でも狙ったのでしょう。遊び心が凄いです。