古文の文法を使用した雅なバラード

岡本真夜の21stシングル

壮麗な世界観を美しく歌い上げた「旅人よ」。

ピアニストとしても活動する岡本真夜さんの21stシングルです。

言い回しは少し変わっている歌詞なのですが、実は古文の文法が使われています。

学校で古文を習った人なら、歌詞を見た時に見覚えがあると感じるのではないでしょうか。

歌詞は現代文訳も一緒に公開されているので、古文に自信がない人でも聴きやすい曲です。

かつての中国人や日本人が愛した自然や信仰をダイナミックに歌った曲ですが、焦点を当てているのは「旅人」。

各地を歩く存在に対して、どんな世界を見せようというのでしょうか。

歌詞の意味を見てみましょう。

ゲーム『三國志14』ED曲

岡本真夜【旅人よ】歌詞の意味を徹底解説!満月の光が照らす行く先は?旅人に勇気を与える夢を解き明かす!の画像

「旅人よ」はゲーム『三國志14』のエンディングテーマとしてタイアップされています。

『三國志』シリーズは歴史もののシミュレーションゲームで、シリーズ35周年を記念して作られた作品です。

武将が存在していた時代の中国を舞台としていると考えれば、「旅人よ」の歌詞が古文なのも納得できます。

日本で使われていた古文は、本来中国の文法を取り入れたものですからね。

この作品でいう「旅人」とはどんな存在なのでしょうか。

旅人を招くもの

各地を歩き続ける旅人

その人は中国を旅している人なのでしょうか。

だとすると、かなり長い道のりになりそうです。

中国はあまりにも広い国ですからね。

もしかしたら、あまりにも長い道のりで気が遠くなるかもしれません。

そんな時、この曲は再び勇気を与えてくれます。

旅の目的

東へ西へ Ah 夢遥か
(東へ西へ Ah 夢は遠い)
月立ち渡る 時雨心地
(月が昇って行く 気持ちが負けそう)
熱き思いを貫きたまへ
(熱い思いを貫きなさい)
心起こし いざ給へ 旅人よ
(心奮い立たせ さぁいらっしゃい旅人よ)

出典: 旅人よ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜

括弧内は現代文訳です。

実際は上の古文の文法で歌っています。

この訳は公式で歌詞についているものなので、手軽に歌詞を楽しむことが可能です。

旅をしているので、色々な方角を行ったり来たりすることもあるでしょう。

しかしその先に辿り着こうとする目的地はあまりにも遠いようです。

世界規模で見れば、人間が一日で移動できる距離なんてそう長くはありません。

ほんの数キロメートル歩いただけなのに、もう日が暮れて夜になってしまいました。

時間ばかり浪費しているような感覚でしょう。

くじけそうになるのも頷けます。

ですが、ここで諦めてしまったら今まで歩いてきた道のりも無駄になってしまうのです。

無駄にしないためには、「夢」への熱意を持ち続けなければなりません。

繰り返すことで叶う?

幾程 繰り返し 人と為る
(どれほど繰り返せば 一人前になる)
幾程 繰り返し 夢叶ふ
(どれほど繰り返せば 夢は叶う)

出典: 旅人よ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜

どんなことでも繰り返すことで上達し、目標に近づきます。

自らの「夢」を叶えるということは、ある意味「旅をする」といいかえることもできるのではないでしょうか。

だとすると、この歌詞は「夢」を「旅」に重ねていると考えられます。

その旅路は決して平坦ではありません。

気が遠くなるくらい何度も何度も努力を重ねて、やっと掴めるものなのです。

心が折れそうになることだって、一度や二度ではないでしょう。

未知なる未来