Mrs. GREEN APPLE

東京で結成された5人組バンド。様々なバンドサウンドから影響を受けながら独自のポップサウンドを奏でています。

全ての楽曲の作詞・作曲を手がけるのはボーカル/ギターの大森元貴。

小学生の頃から作曲をしていた彼は、中学の時の同級生であるギターを担当する若井滉斗と出会います。

2013年に他のメンバーも加わったMrs. GREEN APPLEを結成し、インディーズ活動後、2015年にメジャーデビューします。

今回取り上げるのは2016年にリリースされた1stフルアルバム『TWELVE』から「愛情と矛先」です。

彼らのサウンドはMONGOL800RADWIMPSといった日本のロックサウンドから影響を受け、自分たちなりにポップに仕上げた魅力があります。

凄くテクニックがありながら、極上のJ-POPとしても聴けるサウンドが素晴らしいですね。

1stフルアルバム『TWELVE』

「愛情と矛先」や「Speaking」などのアイデアに満ちたバンドサウンドや、「私」といったJ-POPサウンドが魅力ですね。

その中でもアルバムの冒頭を飾る「愛情と矛先」にはイントロからギター二本のリズムの絡みが面白いアイデアが勢いを生み出しています。

【愛情と矛先/Mrs. GREEN APPLE】明るいサウンドと辛辣な歌詞が魅力!?コードあり♪の画像

「愛情と矛先」の歌詞を読む

夢を語ったって 今じゃ笑われる世の中さ 愛を伝えたって まともに聞いてくれやしないさ
大丈夫だよ 貴方のその声は 少なくとも貴方が気づけているから

出典: https://twitter.com/AORINGOLYRICS/status/863262566667112448

「誰の意見がどう」とかいいから
君なりに今打破だ
武器は「愛情と矛先」
「僕の意見はどう?」とかいいから
君なりに形にして ほら
「どうか見せてよ」

出典: https://twitter.com/AORINGOLYRICS/status/884409559200047104

夢や愛は笑われたり、まともに聞いてくれない辛い世の中のことが歌われています。

でもそういう現実に対して大丈夫だと語りかけています。

周りを気にせず自分が感じたことを大切に、今という現実を打破していこう。 そういうメッセージが響いていますね。

そして武器が"愛情と矛先"だと歌っているのです。

愛情と矛先はそれぞれ違うもの。

自分の持つ"愛情と矛先"をみせて欲しいと伝えています。

敬意を払ったって 信用なんか無い世の中さ 誰かを求めたって 助け舟などやってこないさ
大丈夫なの? このままでいいの? って 少なくとも絶望はやがて逝くから

出典: https://twitter.com/AORINGOLYRICS/status/887719222314389504

次の段では、どれだけ周囲に敬意を払っても信用ができない世の中のことを歌っています。

そして誰も助けてくれないと歌っているのです。

これは彼がそう思っているというわけではなく、おそらくそういうふうに周囲を見てしまう時のことを歌っています。

でも絶望はやがて消えることも歌っています。

全てが全部 「いらなくなった」って
傷ついた貴方を癒してあげよう
全てが全部 「不安になった」って
錆ついた心を癒してあげよう

出典: https://twitter.com/mrs__aoringo/status/760823502509256704

全てが全部いらなくなること、全てが全部不安になること。

これは完全にひとりになってしまうことを歌っていると思います。

そういう状態にもしなったら、どうすればいいでしょうか?

傷ついて朽ち果てそう
錆びて盾が打ち破られても
愛情と矛先で
大丈夫だよ。安心して。
君の強さは偉大なものだ

その君の矛先を愛と呼ぼう

出典: https://twitter.com/AORINGOLYRICS/status/890853400098689032

君という人間がこの世界がひどいものだと思って、攻撃的になってしまわないように、君の矛先を愛と呼ぼうというふうに締めくくられています。

自分を守る盾がなくなり、ひとり孤独になって傷ついても、強い人間には本当の愛があると歌っているのでしょう。

自分に自身がない人間はすぐに攻撃的になります。

自分が傷ついても優しくいられたら、その人は本当に素晴らしいです。

「愛情と矛先」というタイトルですが、この歌は愛についての歌なのだと思います。

ひとり孤独に沈む時

筆者にも10代の頃、友だちが信用できなくなりひとりきりでいた頃があります。

そういう時は何が正しいとか考えずに内側にこもっていました。

でもまったく何もせず過ごすということはできません。

音楽や小説などが心を満たすものでした。

この歌は世の中に絶望した時に響く歌なのではないでしょうか?

対面のコミュニケーションがうまくできなくなり、社会から離れてひとりぼっちになった時に、音楽が響くことを歌っているのだと思います。

また孤独を体験した後に、自分なりの"愛情と矛先"を見つけ立ち上がることを後押ししているのではないでしょうか?

小説や音楽は孤独を癒す効果があります。

誰もがひとりになり、自分を見つめなおす時があると思います。

苦しみを乗り越えた後に、自分が本当は何をしたいのか?

きっと自分が望んでいることがわかる。

その時にあなたの"愛情と矛先"は見つかっているのだと思います。

一見、辛辣にみえる歌詞ですが、孤独に沈む人間に対して精一杯のポップさと愛情を伝えようとしていると感じました。

「愛情と矛先」コード譜

「愛情と矛先」を実際にギターやピアノを弾きながら歌えたら、彼らが伝えようとしていることがもっとわかるかもしれません。

コード譜が掲載されているサイトを紹介しますので、ぜひ歌ってみてください。