はじめに
「SHAZNA」というと、「Melty Love」「すみれSeptember Love」のどちらかをイメージするという人が多いと思います。
他にも良い曲はあるのですが、ヒットした曲、又は知らない人におすすめするとしたらこのどちらかでしょう。
「すみれSeptember Love」の凄いところはカバー曲だというところで話題性もあります。
しかし、「SHAZNA」のオリジナルの曲を……となるとやはり「Melty Love」ではないでしょうか。
ところでこの「Melty Love」、アルバム毎にバージョン違いが存在するのです。
それも5種類ですよ!
ちなみにPVも2種類あります(後程ご紹介)。
メジャーデビュー曲にして代表曲!
SHAZNA最大のヒット曲
そして何より「Melty Love」は、「SHAZNA」史上最大のヒット曲でもあるのです。
「IZAM」の完全女装ルックも話題となり、大ヒット(約90万枚)しました。
当時は、ヴィジュアル系というと「化粧をしている」アーティストはいても「明らかに女性の格好をしている」アーティストはいなかったのです。
だからとても珍しかったし衝撃的でした。
そこへきてこのPOPな楽曲、受け入れやすい歌詞とメロディーで瞬く間に人気を獲得していったのです。
これは筆者の知る範疇なので、「こっちの方が先だ!」みたいなアーティストもいるかもしれませんが(もし知っていたら教えていただきたいです)。
収録アルバムについて
5種類ある「Melty Love」
そんな「Melty Love」には、5種類のバージョン違いが存在します。
具体的には、インディーズ作品である「Melty Case」「Promise Eve」。
1stシングル「Melty Love」(「SINGLE BEST SHZANA&IZAM」にも収録)。
1stフルアルバム「GOLD SUN AND SILVER MOON」、「OLDES SHAZANA BEST 1993 2000」です。
以後「SINGLE BEST SHZANA&IZAM」は「SINGLE BEST」、「OLDES SHAZANA BEST 1993 2000」は「OLDES」と表記します。
収録のたびにレコーディングし直すというのは、余程の思い入れがあったのでしょう。
この曲にかける意気込みを感じますね!
バージョン違いについて
それでは、それぞれのバージョン違いをみていきます。
「是非、音源を聞いていただきたいっ!」と思ったのですが、紙面の都合上難しいのです。
それぞれ聞いていただく時の参考にしていただければ幸いであります。
「Melty Case」
「Melty Case」は、5曲入りのミニアルバムでインディーズ時代に制作・完売しています。
実は筆者も実物を見たことはありません(これでもリサイクルショップマニアなのですが……)。
市場に出回ることはあるのでしょうか?
もしお目にかかることがあればそれはもうほとんど奇跡といっていいかもしれません。
何せ1996年販売で日本全国に3000枚しかないのですから。
ただ、音源に関してはネット上で確認することができます。
サウンドは5種類の中で一番シンプルで荒削りなところもありますが、勢いが感じられる仕上がりです。
音質的にも後発と比べると音が薄いので、「NWOBHM」や「初期パンクロック」が好きという方にはいいかもしれないですね。
ロックらしい衝動性が感じられるとともに、珍しく「IZAM」声が男らしいです(特にサビの部分)。
まだ未完成だったのか、以後のバージョンと歌詞が違うところがあります。
「Promise Eve」
やはりインディーズ時代に制作された一枚ですが、こちらは比較的入手しやすいでしょう。
コアなファンに特に人気が高いバージョンです。
「Melty Case」よりもテンポがゆっくりになり、しっとりとした印象を与えます。
アレンジ自体はあまり変化していませんが、歌い方や演奏に変化が見られます。
ドラマーが「桂」から「夏芽」に替わっているのもサウンド面での特徴です。