My Hair is Bad【白春夢】歌詞の意味を解釈！なぜ夢から夢へ？赤色が生活に似ている理由とは

外見を気にしなくなるほど、外に出なくなってしまった主人公。

当然そんな主人公を訪ねてくる人はほとんどおらず、1日の予定も特にない状態が続きます。

頼んだのを忘れていた宅配便がやってこなければ、そのまま起きることもなかったかもしれません。

特に具合が悪いわけでもなく、普段と同じようにも感じられる晴れの日。

皆が恐怖しているウイルスは、きっと自分の近くにもいるはずです。

しかし、目に見えないウイルスはまるでそこに何もないようにも感じられ……。

目に映る景色は確かに平和そのものです。

引きこもる自分だけが、この世界から孤立しているように思えてなりません。

先ほど、台所で薄まっていく「赤」に寂しさを覚えた主人公。

しかし、「この世界には確かに人間が生きている」と伝えるように、都庁は赤く輝いています。

主人公は決して1人で戦っているわけではありませんでした。

薄まってしまったかのように思えたトマトの赤も、よく考えればまだ新しいトマトが冷蔵庫に眠っています。

自分にはまだ、生きる力がしっかりと残っているのです。

「もう少し」「あと少し」と言われ続け、自粛に疲れてしまった人々の群れ。

そんな人々もまた、「生きている」という実感を失くし、外の世界を求めた人々に他なりません。

命が渦巻くこの東京で、日本で……。

自分の毎日が輝くために、今できることを見つけていきたいと願うのです。

1人ぼっちの日々を長く過ごしてきた主人公。

自分にとって大切なものを失いかけて初めて、これからの日々を輝かせたいと強く願うことができました。

アーティストから離れ、音楽から離れ、自分を失いかけている全ての音楽ファンに向けて……。

My Hair is Badから、「決して1人なんかじゃない」というメッセージが込められているのです。

ただ終わりを願う、夢のような毎日を過ごしてきた日々。

そんな中、本来見るはずだった、希望にあふれる「夢」をもう1度取り戻しましょう。

1人で描いていた「夢」から、皆で生きるこれからの「夢」へ……。

目指すべき道をしっかりと固め、限られた毎日を明るくする方法を探していきましょう。

それはまるで真っ白に輝き、春のような暖かさを持った夢のよう。

「白春夢」の曲名には、My Hair is Badが望むすべての「夢」が詰め込まれているのです。

MVの最後でひっくり返っていたバンド名。

あなたの中の「My Hair is Bad」をまた元に戻すのは、あなた自身です。

皆が音楽に酔いしれたあの日々をもう1度取り戻すため、今はただ1歩1歩踏み出していくしかありません。

1言1言に込められたメッセージが、聞き手の心をグッとつかんで離さないMy Hair is Badの楽曲たち。

彼らの音楽に対する気持ちや、結成当初の思いなどが込められた「音楽家になりたくて」が印象的です。

世に出ていない時代から、邦ロックを語る上で欠かせない存在となった今日まで……。

My Hair is Badが何を思い、何を願って活動してきたのかが分かる1曲となっています。

そして、複雑で言い表しがたい恋心も、自然な言葉で表してしまう1曲「恋人ができたんだ」。

新たな恋人ができながらも、かつて付き合っていた「君」と比べてしまう心情を綴っています。

今が幸せであるはずなのに、どうしても思い出さずにいられない……。

ふと自分の過去を振り返りたくなる、そんな1曲に仕上がっています。

周りとの関わりを制限された日々の中で、「自分は1人だ」と不安になってしまう人も多いでしょう。

My Hair is Badは、これまで自分を信じてきてくれた全てのファンに向け、この曲を作り上げました。

決して1人ではないから、今はあの日見た夢を信じて頑張ろう……。

「白春夢」は空っぽな心にポッと灯火を灯してくれるような、暖かく優しい1曲だったのです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。