凛とした表情と可憐なパフォーマンスに注目!
今回ご紹介する楽曲は、櫻坂46の2ndシングルとなる『BAN』です。
センターは、森田ひかるさんが務めていますよ。
イオンカードなどのCMに起用されているため、楽曲に馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
櫻坂46といえば、欅坂46時代から継承されている、女性も憧れる力強く美しいパフォーマンスが特徴的です。
彼女たちの眼差しや表情は心に訴えかけるものがあり、歌詞の世界観とも見事にリンクしています。
また、水を使った演出や上空からの大規模な撮影など、美しくアーティスティックなMVも必見ですよ。
個性あふれる衣装が演出の一部となっていて、スカートの鮮やかな色彩に目を奪われます。
息のぴったり合った、迫力あるダンスパフォーマンスにも注目したいところです。
歌詞をピックアップ!
やるせない毎日
明け方までスマホで動画観てた
それじゃ起きられるわけがない
全てのことに遅刻して
今日もサボってしまった
カップ麺 お湯を注いで
「それなら寝てりゃよかった」
なんて あくびしてたら麺が伸びた
出典: BAN/作詞:秋元康 作曲:A-NOTE・S-TONE
聴き手を惹きつける、楽曲の歌い出しのパートです。
こちらのパートでは、何かやらなくてはならないことから目を背けている姿が伺えます。
そして、やるべきことがあるものの、やりたくないと感じる原因があるように思います。
結局明け方まで携帯をいじって、翌朝起きられずにやるせない気持ちになったのでしょう。
カップ麺、という表現から、食事に気を遣う余裕もないことが伝わってきます。
また、麺が伸びるという表現は、だらだら過ごす自分の姿と重ね合わせているようにも感じます。
全てのことが面倒になって、何もしたくない気持ちに駆られているのかもしれません。
周囲との距離に気付く
何になりたい 何をやりたい
いつからだろう 夢を見てない
ずっと ゲームしてるうちに
いつしか大人になってた
みんな どこへ行ったんだ?
なんでそんな忙しいの?
ちょっと待ってよ
「時間はあんなにあったじゃないか」
人生の電源切られるように
僕だけ退場ってこと?
出典: BAN/作詞:秋元康 作曲:A-NOTE・S-TONE
やりたいことって何だろう、そう考えても、答えが分からないまま月日が過ぎたのでしょう。
分かってはいるものの、その事実から目を背けるためにひたすらゲームをする日々。
架空の世界に身を委ねて、ひたすら現実逃避をしていたのかもしれません。
そして気が付くと、周囲と大きな差がついて、置いてけぼりになっていました。
遊びの誘いの連絡を入れても、「忙しい」と断られてしまったのかもしれません。
そこで初めて、自分は立ち止まったままであることに気が付いたのでしょう。
次第に、「時間はあったのに、どうして行動に移さなかったの?」そんな風に問うようになりました。
”後れを取ってしまったらそこで人生は終わりなのだろうか”、そんな切実なメッセージが伝わってきます。
このままではいけないの?
BANされても
禁止されても
ダメだって言われても
もう 今さら
違う自分に
なれるわけないじゃない?
BANされても
禁止されても
やめろって言われても
わかりました
改めますって
反省なんかしない
神様 何がいけないんですか?
どこがその基準なのか知りたい
出典: BAN/作詞:秋元康 作曲:A-NOTE・S-TONE
”BANされる”というのは、自分自身を否定される、ということのように思えます。
生きている中で感じるあらゆる不安や周囲からの批判、仲間外れにされる気持ち。
そんな複雑な感情を表しているのではないでしょうか。
そしてこのパートでは、そのような批判から自分を守り抜こうとする意志を感じます。
やりたいことが分からないまま日々を過ごして、心ない言葉に未来を断たれるような思いになったのでしょう。
それでも、これまでの自分を180度変えることはできません。
例え「○○しなさい」と言われても、それはその人の基準であって、自分には当てはまらないのです。
一般的な物事の”基準”がどこから生まれているのか、疑問を持たずに受け入れているんじゃないのか。
そんな熱いメッセージが伝わってきて、大切なことに気付かせてくれます。
未来を甘く見ていた
いっぱいあった時間の砂は
何もしなくても消える
僕が その気になったら
何でもできると舐めてた
ここで何をやってるんだ?
遊んでるのは僕一人
誰か教えてよ
「変わらないっていけないことなの?」
いきなりそう一方的に
未来を失格にされた
出典: BAN/作詞:秋元康 作曲:A-NOTE・S-TONE
こちらのパートでは、流れゆく時間を”砂”に例えた比喩表現が美しいです。
砂時計の中を落ちていく砂のように、時間は手のひらからするするとこぼれ落ちていきます。
そしてその中に佇む自分の未来は、時がきたら掴めるものだと思っていたのでしょう。
でも、物事は思っていたほど甘くなかったのです。
時間が砂のように過去へ消えて戻ってこないと気づいた時には、とうとう周りと大きな差がついていました。
これまで変化を受け入れることを恐れて”今”を生きてきた自分にとって、その差は衝撃的だったのでしょう。
そして、突然未来への道を閉ざされたかのような気持ちに苛まれるのです。