「ブレードランナー」は言わずと知れたSF映画の傑作。リドリー・スコット監督作品ですね。
原作はフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。
ここにもうアンドロイドと入っています。ただし原作にはレプリカントは出てきません。
映画では、ハリソン・フォード演じるブレードランナーが、人造人間レプリカントを廃棄。
そういう仕事ですが、人間とレプリカントの愛はどうなる?というところがポイントでしょう。
「TATTOO」はこの映画「ブレードランナー」の世界観をイメージして作られました。
レプリカントの女性っぽい衣装ということでボディコンになったのかも。
ただし、歌詞の主人公である女性は、人造人間の男性を必要ない!と言い放っています。
つまり、立場的には人間のようです。
バラのタトゥーの意味
人間としての魂
チャンスをあげるわ
熱い儀式(レボリューション)
錆びた魂 バラのTatooを
紅く刻んで 産まれ変わるのよ
Get up!
さあ ひえた胸に じっと眠る炎
起こして
いま ゾクゾクする夢を
追ってごらん(Take a dream)
出典: TATTOO/作詞:森由里子 作曲:関根安里
歌詞の冒頭で映画「ブレードランナー」の世界観が提示されましたので、その続きです。
主人公の女性が語りかけているのは、アンドロイドやレプリカントつまり人造人間の男性……。
そう考えるのが妥当でしょう。
私たち人間は「明日から生まれ変わって頑張る!」なんて言いますが、それは表現上の話です。
本当に生まれ変わることはできない……はずです。少なくとも現在では。
おまけに「生まれる」ではなく「産まれる」だと、実際の出産を意味することになります。
つまり、バラのタトゥーを刻むことで「人間として産まれ変わる」という話ではないでしょうか。
人造人間から人間になるチャンス、それがバラのタトゥーを刻む行為。
魂のサビた人造人間でも「胸に眠る炎」を呼び覚ませば人間になれる!と語っているわけです。
まとめると、バラのタトゥーは「胸に眠る炎」すなわち人間としての魂になります。
挑戦的なアジテーションにドキドキ☆
アジテーションって?
手頃な恋(プレイ)で
麻痺したエモーション
感動したくて 女はアジテーション
言葉じゃなくて Soulを感じたい
Wake up!
いま せとぎわだわ
焦り焦り凍りつく 私を
さあ 欲しいのなら
愛を見せてごらん
(Take a chance)
出典: TATTOO/作詞:森由里子 作曲:関根安里
アジテーションとは扇動のこと。一般的には群衆に向けた演説のことを表します。
ただ、この「TATTOO」では主人公の女性から人造人間の男性への語りかけのことになるでしょう。
語りかけの内容が挑戦的なので、アジっていると表現しているわけです。
人造人間が人間に産まれ変わるためには、魂の炎を燃やす必要があることはわかりました。
それがバラのタトゥーです。といっても、具体的にはどうしたらいいの?という話。
その答えが「愛を~」になります。要するに「私を愛してごらん」とアジっているわけです。
何とも挑戦的ですね。
消えない愛こそがバラのタトゥー
本当の愛
Show me your real love
咲かせなさい
その胸に消えないバラを
Show me your real love
堕としてみて この私 Tatooで
Just falling you
出典: TATTOO/作詞:森由里子 作曲:関根安里
バラのタトゥーとは消えない愛、本当の愛だったことがわかってきます。
人造人間と人間の違いは、愛する魂があるかどうか……なのでしょう。
しかし、アンドロイドやレプリカントという冒頭の歌詞をサラッと聞き流してしまうと大変!
上から目線の女性が、男性をひたすら誘っているかのように聞こえます。
しかも、胸にバラを咲かせなさい!って……自粛。ブレードランナーの設定は大事ですね。