新しい「ORDINARY WORLD」の世界

HYDE【ORDINARY WORLD】歌詞を和訳&解説!哲学的な立ち直り方?実は前向きな失恋ソングの画像

今回ご紹介するのはHYDE(ハイド)の「ORDINARY WORLD」です。

この曲はDuran Duran(デュラン・デュラン)のカバー曲

イギリスの伝説的ロックバンドDuran Duranの代表曲とあって、耳にしたことがある方も多いでしょう。

オリジナルはゆったりとしたバラード曲ですが、HYDEがハードに変身させたあたりはお見事。

かっこよく新しい雰囲気の「ORDINARY WORLD」で、名曲の感動を見事によみがえらせてくれました。

壮大なリリックビデオにドキドキ

HYDEはどこまでかっこよくなるのでしょう?

スポットライトを浴びた彼の歌声が聞こえた瞬間から、全身に鳥肌が立ちます。

原曲の良さを損なわず、ピアノの旋律などで美しい世界を色づけしていますね。

ここまで彼の声がこの曲にぴったりマッチするとは、誰が予想したことでしょうか。

原曲に忠実にというよりも、彼の持ち歌のように全く新しい世界観で歌い上げていますね。

最も感動するのが、ラストのハイトーンの部分

最高の盛り上がりに、見ていてうっとりとさせられます。

ここからは、切ない「ORDINARY WORLD」の歌詞の世界を紐解きます。

色褪せない名曲の歌詞の意味

逃れられない君の亡霊

Came in from a rainy Thursday on the avenue
Thought I heard you talking softly
I turned on the lights, the TV and the radio
Still I can’t escape the ghost of you

出典: ORDINARY WORLD/作詞:BATES NICHOLAS JAMES 作曲:CUCCURULLO WARREN B

さっそく歌詞和訳しながら意味を解説していきましょう。

『大通りでの雨の日の木曜日から帰ると

君がやさしく語りかけているように感じた

僕はライトをつけ、テレビやラジオもつけた

それでも君の亡霊からは逃げられやしなかったんだ』

この曲は大切な友人を亡くした後に生まれた曲だということ。

主人公は、未だ友人の死が受け入れられずにいるようです。

誰かが死んでしまったあとは、しばらくその人がすぐ側にいるような気がするもの。

もしかしたら、そうであって欲しいという感情がそう思わせているのかもしれません。

いっそ心からもいなくなってくれればいいのに。

頭ではそう思っていても、心はまだ離れられずにいます。

「クレイジー」では片づけられない

What has happened to it all?
Crazy, some’d say
Where is the life that I recognize?
Gone away

出典: ORDINARY WORLD/作詞:BATES NICHOLAS JAMES 作曲:CUCCURULLO WARREN B

『一体僕の周りでは何が起こったんだ?

クレージー、誰かはそう言うだろう

僕が生きていた人生はどこに行ってしまったんだろう?

去ってしまった』

クレージーというのは狂気じみているということ。

よそ者にはクレージーと言われても、そんな一言では片づけてはいけないような気がするのでしょう。

3行目は直訳すると、「僕の認識していた人生はどこに行った?」です。

知っていたはずの人生ですが、親友が死んでしまった途端、どこかに消えてしまいました。

親友の死によって、自分まで死んでしまったような気がする。

いわば”ゴースト”のような人生です。

主人公は、おそらく豊かな感性の持ち主。

友人の死からのショックの度合いは計り知れません。

僕は人間なのかさえ分からなくなってしまった。

そんな空虚な気分になってしまっているのでしょう。

暗闇を抜け出して生き延びる方法は?

But I won’t cry for yesterday
There’s an ordinary world
Somehow I have to find
And as I try to make my way
To the ordinary world
I will learn to survive

出典: ORDINARY WORLD/作詞:BATES NICHOLAS JAMES 作曲:CUCCURULLO WARREN B

『でも昨日のために泣いたりしないよ

普通の世界があるのだから

どうにかして僕は探さなきゃならない

そして僕が目指そうとするとき

その普通の世界に

生き残る方法を覚えるんだ』

昨日=過ぎた日という意味でしょう。

過去のことにはもうとらわれたくない。

主人公は、まだショックはあるけれど前向きに人生を歩みたいと強く望んでいるのでしょう。

今いる世界は普通の世界とは違うと感じている主人公。

だから普通の世界に戻らないと生き延びることができないのです。

そしてその普通の世界に戻る方法は、そこを目指したときに見つかるというのです。

普通の世界を目指す気になった主人公は、生きる術を見つけられるだろうと思います。

今はまだ普通の世界にはいない。

今いる特別な世界から戻ることで、普通の世界で生きることができるようになる。

そんな哲学的な考え方に導かれ、主人公は前を向きます。

親友を亡くした心情に耳を傾けてみよう

プライドさえもなくなってしまった