やっぱ そんなもんじゃんか
所詮 人間なんて利己主義で
僕らだってそうなんだ
汚い色に染まってくんだ

出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ

そもそも「僕ら」とは、一体誰を表しているのでしょうか。

「僕ら」の中には、PVに登場する主人公の少年この曲に共感するすべての聞き手が含まれています。

他者を尊重しない同調圧力や、人の痛みに鈍感なさまを「僕ら」は嫌悪していました。

ですが本能にしたがって、ついつい自分の欲求を満たすためだけの恋愛を「僕ら」もしてしまっています。

これは、「僕ら」も自己中心的な行動をとっていることを表していました。

人間である以上、「僕ら」もその醜悪さからは逃れられないのです。

もうほっといて

冷めきったみたいなんだ
偽善なんてもう 見たくないし
だからいっそ泣いたって
ほら もう 近づかないでよ

出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ

「僕ら」は人間という生き物に失望しきっています。

自分が泣いているときにかけられる優しい言葉も、ただの偽善にしか感じられません。

だから、そんな偽物なんて必要ないとすべての人間を拒絶します。

もう誰にも心を開きたくありませんでした。

この歌詞は、自分の人生には誰も必要ないということを表現しています。

救いなんてない

―夜は溢れる夢描いて―
―朝は光る希望抱いて―
―清く正しく前を向いて―
「待って。そんな無理しないで」

なんて言う人もいなくて
泣いて もがいて べそかいて
こんな思いは何回目
綺麗好きすぎて もう
何もかも見たくないな

出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ

醜悪な性質の人間に囲まれつつも、「僕ら」は常に清く正しく生きようと努力していました。

それでも辛い現実に疲れてしまう日は、誰かに慰めてもらいたくなってしまいます。

ですがそんな人はおらず、その現実にまた深く傷つきました。

これは明らかな矛盾を意味しています。

そもそも「僕ら」は人間は誰もが醜い、だから誰にも近づかないでほしいと望んでいました。

それなのに、誰も自分を慰めてくれないと悲しむのは自分勝手ではないでしょうか。

自ら他人を拒絶しているのですから、「僕ら」を助けてくれる人なんていないのは当たり前のことです。

無意識に期待して勝手に裏切られた気分になるなんて、自己中心的な考えだとわかっていました。

そして、そんな自己中心的なことを勝手に期待する自分の醜悪さにますます苦しみます。

7行目の歌詞は、そんな思考を何度も繰り返す自分にうんざりしていることを表していました。

人間にも自分自身にも失望しきって、もう何も見なくてするように目を閉じてしまいます。

誰に向けての「バイバイ」なのか

ダメだったんだ 人類は
それは とうに とうに 手遅れで
エゴばっかの世界なんて
息を吸うのだって困難で

誰だってわかってんだ
自分勝手だって 価値なんて
だから 口塞いじゃって
もう 知らない じゃあね バイバイ

出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ

4行目の歌詞は、ただ普通に生きていくことさえ困難なさまを表しています。

自分の中にもある人間の醜悪さに、ほとほと嫌気がさしてしまいました。

ですが、誰もが自分の身勝手さを理解した上で行動しています。

利己的だとわかっていても、自分の欲望を優先してしまうのが人間の性(さが)なのでしょう。

今までそんな現代社会に対して何度も間違っていると声を上げてきた「僕ら」。

ですが、もうこれからは何も批判しないことを決めました。

批判することで少しはあった現代社会との関わりを、何も言わないことによって断ち切ることにしたのです。

目を閉じ、口を閉ざすことで「僕ら」と現代社会は完全に断絶します。

「僕ら」が「バイバイ」と言っていたのは、エゴだらけの現代社会でした。

最後に

ケッペキショウ」では、目を背けたくなるような人間の性質が痛烈に描かれていました。

この楽曲共感するときが、誰にでもあるのではないでしょうか。

救いのない楽曲に聞こえますが、人間がそのような一面を持っていることもまた確かです。

この曲でボカロ曲に興味を持った方には、こちらの記事をおすすめします。

あなたを泣かせるために厳選した泣けるボカロ曲たちです。恋愛であったり、日々の葛藤であったり、仕事だったり、人間関係であったり、私たちは日々悩み生きています。これから紹介するボカロ曲はきっとあなたの心の支えとなると思います。一緒に共感しておもいっきり泣きましょう。

思わず共感して泣いてしまうようなボカロ曲ばかりを紹介している記事です。

この記事では、本楽曲の作者である「すこっぷ」によって作られた「クライヤ」にも触れていました。

「ケッペキショウ」とはまた違った「すこっぷ」の世界観に触れることができます。

それ以外にも共感できるボカロ曲を多数紹介しているので、気に入る楽曲に必ず出会えることでしょう。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね