縁はヤーレンソーラン
千代に What Cha Cha
釈迦堂も 闇や 宵や宵や
鳶が湘南浪漫 風に舞っちゃって
縁の先ゃ 黄泉の国や
童っぱラッパ 戦禍う人の
涙か蝉しぐれ
童っぱラッパ 祭り囃子が聴こえる
遊べよ遊べ ここに幸あれ
エンヤコーラ!!
※繰り返し ×2※
出典: 愛の言霊~Spiritual Message~/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
1番は<宴>だった部分が2番では<縁>となっている点が目を引きます。
「これも何かの縁」や「親兄弟の縁」など、巡りあわせとか血縁という意味を持つ<縁>。
これまで計り知れないほど長く続いてきた人類の縁に思いを馳せているのでしょうか。
もちろん、自分の<縁>が永遠の終わりを迎えるそのときは<黄泉の国>=死が待っています。
これは自然の理ですね。
日本の夏と言えば、太平洋戦争が終わりを迎えた時期でもあります。
<蝉時雨>に<戦禍う人の涙>を重ねていることからも、お盆の侘びしさと憂いを感じます。
しかし<童っぱ>、つまり子どもたちを<遊べや遊べ ここに幸あれ>と煽るフレーズからは、大人が子どもへ受け渡す未来への希望も感じられるのです。
<T.C.>が表すものとは?
(THE MESSAGE FROM T.C.)
(IT SOUNDS LIKE AN M.C.)
(THE MESSAGE FROM T.C.)
(COME-A COOL RAP TO ME)
(Dubadiba…)
※繰り返し ×3※
禮!…
出典: 愛の言霊~Spiritual Message~/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
本曲の英語詞では、桑田さんならではの造語が使われています。
<T.C.>とは「魂」という意味。
<THE MESSAGE FROM T.C.>は「魂からのメッセージ」、つまり「言霊」のことだと考えられます。
<IT SOUNDS LIKE AN M.C.>は「MCのようだ」という意味でしょうか。
MCとは、歌手や演奏者が演奏の間にするトークのことですね。
サビの<挿話>と同じニュアンスで使われているのかもしれませんね。
<COME-A COOL RAP TO ME>は直訳すると「僕のためのクールなラップ、おいで」ということになります。
しかし<COME-A COOL RAP>は、その発音から「鎌倉」という意味をかけている、というのも有名な話。
サビに続く<禮>は「礼」という字の正字です。
現代に生きる魂とこれまでに死んだ魂に対しての「礼」、つまり敬意を感じます。
終わらない祭囃子のように……
(幾千億年前の星の光が 人の世の運命を僕に告げるの)
生まれく叙情詩とは 蒼き星の挿話
夏の旋律とは 愛の言霊
生まれく叙情詩とは 蒼き星の挿話
(過去に多くの人が 愚かな者が 幾千億年前の星の光見て)
(戦をしたり 罪犯したなら ぼくもまたそれを繰り返すのか)
生まれく叙情詩とは 蒼き星の挿話
夏の旋律とは 愛の言霊
出典: 愛の言霊~Spiritual Message~/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
結局、本曲に込められたメッセージの本質は、この歌詞のラップ部分で表現されていると筆者は考えています。
途方もないほど長い地球の年齢を1時間におきかえると、人類の歴史はほんの2秒という試算もあるほど短い人類の歴史。
その中で、これまで行ってきた希望や過ちを、我々は繰り返し続けるのだろうか。
人の魂の意義を問いかける問いですね。
今は滅びた星の光なのに 見つめるままに 夢に見るたびに
涙ぐむのはなぜなのか そして僕はどこから来たのか
この魂は誰のものなのか
(生まれく叙情詩とは 蒼き星の挿話)
(夏の旋律とは 愛の言霊)
(生まれく叙情詩とは 蒼き星の挿話…)
出典: 愛の言霊~Spiritual Message~/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
ここではサビ部分とラップ部分のカッコ書きが入れ替わることに注目。
通常、話の本筋をカッコの外、話の補足や余談をカッコ内に書きますよね。
それが入れ替わっているのです。
まるで、誰ともなく入れ替わり立ち替わり叫び続ける祭囃子のように感じませんか?
「愛の言霊」には<ヤーレンソーラン>や<エンヤコーラ>などの囃子詞も盛り込まれています。
この歌詞からは最後まで祭囃子を演出したように感じられるのです。
最後に……
サザンオールスターズ「愛の言霊~Spiritual Message~」はいかがでしたか?
いささか難解とも感じる歌詞でしたが、桑田さんの作ったリズムに乗せられることで、耳から心へ自然に受け入れることができます。
「愛の言霊」はアルバム『Young Love』やベストアルバム『海のYeah!!』、『バラッド3 〜the album of LOVE〜 』にも収録。
「また聴きたいな」と感じたら、アルバムで楽しむのもオススメです♪
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