「何だかなぁ」!? 歌詞もスゴい!

和テイストな言葉の世界

このまま遠くへ行こうか 憧れだったこの旅路
回り道に咲いていた 赤い華に酔いしれる

たちこめる嵐の中 振り向けば浮かび上がる
ニセモノだった 僕達の青い鼓動

出典: 「SAMURAI DRIVE」/作詞:小林亮三 作曲:CUNE

Aメロで印象的なのは、どこか「和」の香りがする歌詞です。

「旅路」

「華」

「酔いしれる」

クラシカルな言葉の響きは、hitomiバージョンの着物風コスチュームともマッチしています。

ロックなサウンドとは対照的に、Aメロはオール日本語です。

ちなみに、オリジナルの曲中に登場する1人称は「僕」

hitomiバージョンでは、ソフトな響きの「僕」に差し替えられました。

「何だかなぁ」!?

I don't know the way of truthが何だかなぁ
浮世離れの 愛を込めて

出典: 「SAMURAI DRIVE」/作詞:小林亮三 作曲:CUNE

Bメロの歌詞は、まさに「何だかなぁ」のインパクトに尽きます。

キーが上がったメロディーに乗せて解き放たれるのは、ボヤキ!?にも似た自嘲的な言葉。

「阿藤快かよ!」と、思わずツッコミたくなるような?フレーズです。

しかし、エネルギッシュなhitomiの声から、弱さや悲しさ、迷いは伝わってきません。

後ずさりする気配など微塵も感じさせない力強さで、ポジティブな歌詞が続くサビへと導きます。

サビは「1音1語」

いつもそうさ理想の先には
希望だけがひしめきあうPeaceful world
衝動的な愛をかきわけて
そして僕はゆくよ

出典: 「SAMURAI DRIVE」/作詞:小林亮三 作曲:CUNE

サビの歌詞にもまた、大きな特徴があります。

それは、「1音1語」ならではのノリの良さ。

ロックなリズムと日本語の歌詞が、見事なまでにシンクロ!しています。

必要以上の横文字を使わず、日本語で気持ち良く歌えるロック・チューン。

hitomiバージョンのサビでまたしても映えるのが、着物風コスチュームです。

日本語ロックの進化形を、ビジュアルで強調してみせました。

オリジナル曲の斬新さを視覚で際立たせることができたのは、スタイリッシュなhitomiだから。

彼女がカバーした「SAMURAI DRIVE」のヒットは、必然だったとも言えます。

化粧品のタイアップ曲

PVに引けを取らない美しさ

「huma-rhythm」は、収録曲の半数近くがCMやドラマアニメのタイアップ曲というモンスター・アルバム

もちろん、シングル・カットされた「SAMURAI DRIVE」も例外ではありませんでした。

ビジュアルもサウンドも最先端を走っていたこの曲は、花王の口紅「Brand-new AUBE」のCM曲に。

サビのメロディーをバックにhitomi本人が出演し、商品名のアナウンスも担当しています。

いつの時代もトレンドの最先端を走る化粧品のCM曲に採用されるのは、最先端の音楽。

「SAMURAI DRIVE」も、そんな曲だったことが分かります。

自信を感じさせる、この表情。「ハッピーをあやつれ」というキャッチコピーが、よく似合います。

物語は続く

時代を超え、再びカバー

hitomiと「CUNE」のつながりは、実は「SAMURAI DRIVE」にとどまりません。

「huma-rhythm」の収録曲「プラスティックタイムマシーン」

「CUNE」が作曲し、hitomiが作詞したものです。

「SAMURAI DRIVE」も2016年、アイドル・グループ「虹色幻想曲〜プリズム・ファンタジア〜」が再びカバー。

コンピレーション・アルバム「EXA IDOL COMPLEX~Super duper!」に収められています。

さらにスピード感を増したようなアレンジが、とてもスリリングです。