「願いの詩」ってどんな曲?
小渕と黒田からなる日本の音楽デュオ「コブクロ」。
彼らは2002年に通算5枚目のシングル曲「願いの詩」をリリースしました。
「願いの詩」に登場する「向日葵」や、同シングル収録曲「太陽」という言葉からは、「夏」を連想できませんか?
7月というリリース時期にもピッタリなこのシングルは、週間オリコンチャートでも上位にランクインしました。
「夏」を代表する大イベントのテーマ曲に採用!
平成最後の夏である2018年夏に第100回を迎えた、いわゆる「夏の甲子園」。
選ばれ勝ち進んできた高校球児達のプレーや姿は、毎年熱く感動的なドラマをつくり上げてくれています。
第84回大会が朝日放送で中継された際に、この「願いの詩」はオープニングテーマとして起用されました!
歌詞を徹底解説!
大変長らくお待たせいたしました。
それでは、「願いの詩」の歌詞解説を始めてまいります!
子供から大人へと変わっていく中で
泥だらけの服の下また今日もひとつ
増えた傷 パパにだけ見せて笑ってた
夢見たもの ひとつずつ箱にしまって
いつか僕も 大人という 抜けがらになる
出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
今ここで、あなた自身の幼き日々を思い出してみてください。
当時と今の姿を比べることで、きっと成長した自分を心から実感することでしょう。
しかし同時に、今では「失ってしまったもの」の存在に気づきませんか?
それは現実や社会を知った我々からすればあまりにも眩しいもの。
子供の魅力の一つでもある「実直さ」や「素直さ」であったりします。
怪我したことや失敗したことを笑顔で親や友人に明かしていた当初と比べて、今はいかがでしょうか。
遠慮や気遣いや人間関係などが原因で、心身に負った傷について言えない日々があったり。
失敗から目を背けてどこか現実逃避していたりと、ずる賢くなってしまった大人な自分が惨めになるほどです。
誰もがもっていた夢や希望は次第にすり減り、薄汚れていくことが多くあることでしょう。
そのような過程ででき上がった「大人」という状態は、どこか中身のないものに思えます。
あなたは今、子供達と同じようにありのままの姿で輝いていますか?
向日葵と人間を重ねる
夏の終わりにうつむく向日葵(ひまわり)
太陽昇れとまた咲く時を待ってる
やっと気付いた心の傷あと
そっと隠しながら
出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
夏に開花する植物の中でも、ひときわ目立つ向日葵。
大きく荘厳で、鮮やかな色彩を放つ向日葵の花のたたずまいは、人々の視線と心を独占することでしょう。
やがて夏の終わりに近づくと寿命を迎え、種子という次世代の希望を遺して枯れます。
どんなに輝いているものでも、遅かれ早かれ終焉が訪れるということに変わりはありません。
向日葵の一生は「栄枯盛衰」や「盛者必衰」という言葉を極めて分かりやすく体現してくれています。
そんな枯れかけている向日葵を夜にみてみると、どのように思うでしょうか。
ひょっとしたら、かつての輝きを失い、太陽の登場にこっそりと寄り縋っているようにみえるかもしれません。
夜の暗さが向日葵の弱い姿を隠している、と捉えることもできるでしょう。
向日葵と同じく、どんな人間にも存在する「弱み」というもの。
人間は「承認欲求」の強い生物で、その多くが「強さ」や「個性」をアピールして承認を得ます。
「弱み」を見せることで承認を得られなくなることを恐れ、次第に自分を偽り隠していくのですね。
「ありのまま」の大切さ
もしも僕があの頃の僕に手紙を
出せるならどれくらい真実で書けるだろう
出典: 願いの詩/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎