こんな時代だからこそ、自分がディスられる不安の中で曲の主人公も「誰かをディスってしまいたい」とつい思ってしまいます。
自分が知らないところでディスられている、というストレスを、他の誰かをディスることで発散する。それは、現代ならではの負の連鎖ですね。
気だるげな曲調も相まって、こんな今の世の中に疲れたような雰囲気が表れています。
「孤独」が貴重な癒しになる
孤独になるのは
自分らしくいられる
やっと見つけた唯一の場所さ
嫌われたっていい
慣れてるはず
どうして反論したいのだろう
機種変(機種変)しようかな(しようかな)
新しいスマートフォン
すべてが(すべてが)また始まるなら
生まれ変われるさ
出典: http://j-lyric.net/artist/a05b333/l03efb0.html
いつでも友だちや知り合いと繋がっていられるスマホは、逆に言えばいつでも自分を人間関係の中に縛る存在でもあります。
そんな現代では、全てから切り離された「孤独」な時間が、何よりも貴重な癒しになります。
いつでも、どんなときでも人間関係や自分の噂、悪口を気にして過ごすのは、とてつもないストレスですよね。
この部分でも、「機種変」という言葉に重ねて、「スマートフォンを買いかえるように、自分も生まれ変わって人間関係をリセットしてしまいたい」という思いが描かれています。
何もかも傍観しながら
どこかで誰かが
ディスられていたって
僕には全然 関係ないこと
出典: http://j-lyric.net/artist/a05b333/l03efb0.html
曲の最後では吐き捨てるように、全てを投げ出すような「どうでもいい、関係ない」という思いが歌われます。
それは今の世の中をどこか達観して見つめているようで、呆れきったような冷たさが感じられます。
そんな、何もかもを傍観したような結末です。
まとめ
スマホによって縛られた今の世の中、そしてその中で息苦しさを抱えて生きる少女たちの葛藤をシニカルに描いた「割れたスマホ」。
昔ながらのアイドル歌謡曲らしい雰囲気の曲調の中では、「青空とMARRY」の5人が良い意味で冷めた表情で現代社会を冷笑してみせます。
そこには不穏さと可憐さを併せもった雰囲気が漂っていて、個性派アイドルグループ「欅坂46」らしい毒も見せてくれています。
「割れたスマホ」は、シングル表題曲「不協和音」の影でひっそりと、つららのように冷たく世の中を刺すような、欅坂46の隠れた名曲です。
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