「人間開花」というアルバム
ボリューム満点のアルバム!
2016年11月リリースのラッド通算8枚目となるオリジナルアルバム「人間開花」。
初回限定版には
「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり」の映像も収録されています。
このアルバムの前作「×と⚪︎と罪と」からは3年ぶりのアルバムです。
曲目は以下です。
1.Lights go out
2.光
3.AADAAKOODAA
4.トアルハルノヒ
5.前前前世 [original ver.]
6.‘I’ Novel
7.アメノヒニキク
8.週刊少年ジャンプ
9.棒人間
10.記号として
11.ヒトボシ
12.スパークル [original ver.]
13.Bring me the morning
14.O&O
15.告白
出典: https://radwimps.jp/discography/
シングル曲としては「記号として/‘I’ Novel」の2曲のみの収録です。
「前前前世 (movie ver.)」と「スパークル (movie ver.)」も
映画「君の名は。」のサウンドトラックで別バージョンではありますが先行でリリースされています。
ですのでこのアルバムでのみ聴ける曲は11曲ということになります。
とてもボリューム満点です。
ファンとしては嬉しいですよね。
タイトルに込められた意味は?
ジャケットはそばかすが目立つ素朴な少女。
作り込まれていない人間らしさが滲み出るジャケットとなっています。
「文明開化」という言葉がありますがタイトルはこの言葉をベースに考えたそうです。
しかし「人間開化」とせず「人間開花」としたところが大事なポイントなのでしょう。
人はどんどん変わっていきます。
ただそれは単純に人として開いて化けて変わっていくのではなく、
まるで花が力強く花びらを開くようなイメージで人は変わっていくという思いが込められているのではないでしょうか。
このアルバムを通じて、タイトル通りのそんな人間の「強さ」と「変化」を感じられる気がします。
ではそんなアルバムをしっかり1曲1曲みていきましょう!
1曲目「Lights go out」
2曲目「光」
私たちは光った
意味なんてなくたって
私たちは光った
ゴミたちの木漏れ日で
出典: 光/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
許されない愛に生きることへの肯定が歌われた1曲。
「木漏れ日」というと綺麗な光をイメージしますがここでは「ゴミたちの木漏れ日」です。
美しくなかったとしても、汚れていたとしても、ただその命を輝かして生きているのだと。
都会の夜、少ししか見れないけど確かに光る星を眺めながら聴きたくなる1曲です。
ぜひ歌詞に注目して聴いて頂きたいです。
3曲目「AADAAKOODAA」
タイトルの読み方は「あーだこーだ」です。
アルバム作成にあたって最後の方に作った曲だそうです。
歌詞は野田さんらしい言葉遊びと、物事を揶揄したり社会風刺したりしたような内容です。
しかし曲調は今までにないピップホップのようなビートが響くアルバムの中で異色を強く放つ1曲です。
少し野田さんのソロ活動である「illion」を思わせるサウンドですね。
ラッドのまた新しい側面をみれる1曲でしょう。
4曲目「トアルハルノヒ」
ロックバンドなんてもんを
やっていてよかった
間違ってなんかいない
そんな風に今はただ思えるよ
出典: トアルハルノヒ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
タイトルは「とある春の日」をカタカナ表記にしています。
よく文学の世界でもわざわざカタカナ表記にする手法が使われますが、ここでの意図はなんでしょうか。
拙さや、不器用さ、意味の不明確さ、疑惑などの意図でカタカナ表記が使われることが多いでしょう。
ここでは筆者が思うに恥じらいではないでしょうか。
バンドを続けて10余年ずっと支え続けてきたファンに向けて歌われたこの曲。
過去を思い返しながら、少し照れながら、上記の歌詞とタイトルを書いたのではないかと思います。
叙情はあまり歌詞にせず、叙景や叙事をメインに書いている部分に不器用さと恥じらいを感じさせられますね。