ネット世代のヒーロー「神聖かまってちゃん」
若いネットユーザーから熱い支持を集めている4人組ロックバンド「神聖かまってちゃん」。
2008年の結成から今年で10年の月日が流れようとしています。
奇行が目立つの子を筆頭に個性的なメンバー達で構成される彼ら。
ライブ中でもお構いなしに殴り合いの喧嘩をしてたことを考えると10年経った事に驚きます。
デビュー当初は正直いつ解散してもおかしくないようなバンドでしたから。
鬱な部分が際立った曲「友達なんていらない死ね」
今回紹介するのは彼らの5枚目のアルバム「楽しいね」収録曲です。
その名も「友達なんていらない死ね」。
友情の素晴らしさを説く曲のほうが圧倒的に多いのに対してこのタイトルです。
かなりインパクトを感じますね。作詞作曲は共にボーカルの、の子が担当です。
の子のネガティブな感情が大胆に注ぎこまれた渾身の一曲です。
それでは歌詞について触れてみたいと思います。
メンヘラ感漂う歌詞(コード付き)を徹底分析
F C B♭ C
ショットガンであいつの頭ぶちぬいて
F C B♭ C
シチューで食べたいやつがいる
F C B♭ C
お友達ごっこしなくちゃいけないな
F C B♭ A
クラスのルールを守ったら
出典: 友達なんていらない死ね/作詞:の子 作曲:の子
お友達ごっこへの激しい嫌悪感
歌いだしからかなりショッキングなフレーズが出てきます。
ショットガンとは穏やかではありません。
なぜそこまでの殺意が生まれたのかはわかりません。
いじめによるものなか、喧嘩によるものか。
どちらにせよ精神的に追い詰められているのはわかります。
そして次の歌詞で友達の輪に入ることへの拒否感を歌っています。
精神科で顔を合わせる二人
B♭ C F A
午後2時 精神科
B♭ C F A
家族連れの君もいる
B♭CF A
待合室ではね
B♭ C A
お互いまっ白ね
出典: 友達なんていらない死ね/作詞:の子 作曲:の子
午後2時とありますが、もし平日ならまだ学校は終わってない時間です。
かなり差し迫った状況だという事がわかります。
ここでいう君とはおそらくこの歌の主人公(の子?)の同級生でしょう。
そして待合室で顔を合わせます。
また最後の「まっ白」とはどういうことでしょうか?
これは精神科での治療を受けた結果ととれます。
面談や薬物療法を経た後のリラックスした状態を「まっ白」と表現したのではないでょうか。
それにしても精神科で同級生に合うというのはかなり特別な状況です。
気まずさと気恥ずかしさが混在しているような。
二人の間にはクラスメイトとは違う特別なつながりが生まれてもおかしくありません。
もちろん恋愛感情なんてちんけなものではないでしょう。
嘘っぽい「えっまじ!?」でつながる友情
B♭
えっまじ!?
C F A
そんなセリフが言えたとき
B♭C F A
お友達ってやつがいるのかな
B♭
えっまじ!?
C F A B♭C F A
そんなセリフが言えたとき お友達ってやつがいるのかいるのか
出典: 友達なんていらない死ね/作詞:の子 作曲:の子
クラスメイトの会話で頻繁に出てくるフレーズ「えっまじ!?」。
それだけで会話が成立してしまうことに何か軽薄さを感じるのは確かです。
主人公はそこで繰り広げられるお友達ごっこに違和感を覚えています。
そしてこれは何も学校の教室だけに留まりません。
外に出れば、中身のない会話にあふれています。
社会人になっても見聞きします。
勿論それ自体非難されるようなことではありません。
ただそこになじめずに苦しんでいる人も一定数以上いるのです。
そういった少数の人間の心をとらえた見事な歌詞だと言えます。