I will die for you, and I will live for you
I will die for you, there is nothing more that
I could really say to you

出典: 25コ目の染色体/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

『僕は君のために死ぬし、同時に君のために生きていく。

僕は君のために死ぬ。これ以上なにもない。

本気で言えることだよ』

和訳するとこのような意味になります。

彼にとって彼女がどれだけ大きな存在だったのかが分かります。

彼女の幸せにつながるのなら、自分の命は惜しくないということでしょう。

彼女が幸せになるために自分の存在が必要なら「生きていく」、というよりも「死なない」という印象を受けます。

彼女の存在は彼の存在意義そのものなのです。

一生のお願いをひとつ

彼は「一生のお願い」をします。

それは悲しくもあり、幸せな願いでした。

期待通りの色に染まって欲しい

あなたが死ぬその まさに一日前に
僕の 息を止めてください これが一生のお願い

あなたが生きるその最後の日に僕は
ソラからこの世が何色に染まるか当てたいんだ

出典: 25コ目の染色体/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

彼女が死んでしまう運命なら、彼は彼女より一日早く死んでしまいたいと願います。

「彼女が死ぬ姿を見たくない」という意味なのかと考えましたが、少し違うようです。

彼は彼女より先にソラへと上り、知りたいことがありました。

彼女の最後の日に世界がどんな色に染まるのか、その色が知りたいと言います。

しかも「知る」より前に「当てたい」ということは、彼の中で期待している色があるのでしょう。

こんな色になったらいいな、と思い浮かべているように感じます。

その色は、彼が先立たなければ見ることができない色です。

一日遅れで息を引き取る彼女が何を思うのか。彼はそこに着目しています。

彼が望むのは、先立った彼に再び会える喜びを抱えながら死んでいく彼女の姿ではないでしょうか。

世界は悲しい色ではなく喜びの色に染まるはずだ、と期待しているのです。

この場所(ここ)と天国の丁度真ん中 月から手のばすあのあたりかな
あそこから見える景色 目を閉じても覗けそうな気がして

出典: 25コ目の染色体/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

一日前に息を止めて欲しい。この「一日」にも意味がありました。

一年も十年も前では成り立たないのです。

もし一年前に息を引き取れば、ノロノロ歩いていても天国まで辿り着いてしまいます。

そうすると、遠すぎて世界の色が見えなくなる可能性があります。それでは意味がないのです。

そこで彼は、死後一日なら天国までは辿り着かないと踏んだのでしょう。

月の周りを周回する人工衛星から見た美しい地球の映像を見たことがあるでしょうか。

あんなふうに、月の少し先にいれば世界がどんな色に染まるのかが見えるだろうということです。

目を閉じても見える、ということはもう彼の中で答えは出ているのかもしれません。

彼が期待した通りの色に染まる世界が、見えているのでしょう。

僕はこう思っているけれど

I will die for you, and I will live for you
I will die for you well you never ever told me to

出典: 25コ目の染色体/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

『僕は君のために死ねるし、君のために生きていける。

君のために死ねる、なんてことを君は僕に言ったことはないね

彼は彼女の幸せだけを願い、それを彼女に伝えていました。

でも彼女は、彼の幸せを一番に願っていたかどうかは分かりません。

彼女は自分のことを想いながら死んでくれるはずだと豪語する彼ですが、実はあまり自信がないような様子が伺えます。

一生のお願いをもうひとつ

来世の計画を立てる僕。

面倒事がなくて済むようにと考え出した方法の中から、彼のエゴが少し顔を出します。

一つの命になればうまくいく