夢を追う代償

主人公の夢を邪魔するもの

厳しい暮らしだけど
情け容赦はいらない
呆れて出て行くあなたを
引き止められもしない

出典: EPIC DAY/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

この楽曲の主人公は、自分自身の夢に向かって邁進中のとある人物。

おそらく主人公が追っているのは、簡単にかなえられるような夢ではありません。

でもそれと同じくらいに、叶えることを諦められない夢でもあるのです。

この世界には、この楽曲の主人公と同じように夢を追っている人も多いことでしょう。

道半ばで諦めてしまう人だって多い中で、1つのことを追い続けるなんて並大抵の気持ちではできません。

だからこそ応援して、絶対にかなえてほしい!と願ったりもするのです。

しかし残念ながら、その夢までの道のりを等しく邪魔するものが存在します。

それが、いま私たちが生きている「現実」。

夢を追う人たちは、「自分自身の夢」と「自分自身の生活」に挟まれているのです。

この楽曲の主人公も例外ではありません。

きっと日々の生活を成り立たせるだけで精一杯なのでしょう。

主人公を救ってくれた存在とは

しかしそんな苦しさを救ってくれるものが、自分の夢以外にももう1つだけありました。

それが恋人の存在。

夢を追い続ける主人公を支え、悩んだときにはその背中を優しく押してくれる。

きっと恋人はそんな存在だったに違いありません。

主人公がここまで夢を追い続けてこられたのも、きっとそんな恋人の存在があったからでしょう。

ただ、そんな幸せな日々は突如として終わりを迎えます。

何の前触れもなく訪れた、愛しい恋人との別れ

「離れたくない」と泣きつく主人公を想像しましたが、歌詞を読むと意外にもその別れはあっさりとしていた様子です。

きっと主人公は、恋人との別れの原因が自分が追う夢にあるといち早く気が付いたのでしょう。

支えてもらってばかりで、迷惑をたくさんかけてしまった。

そんな相手に、まだ一緒にいてほしいなんてワガママは言えない。

そう理由づけた主人公は、突然自分の元を去った恋人を追うこともせず、ただただ見つめていたのでしょう。

気にしていないつもりでも

強く賢く正直でいたいなら
鏡に映る自分
憐れんでちゃだめでしょ

出典: EPIC DAY/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

突然訪れた、大好きな恋人との別れ…。

原因はわかっている。だからこそ気持ちに区切りがつけられる。

主人公はそう思っていたかもしれません。

しかし現実はそう簡単ではありませんでした。

自分自身の考えとは裏腹に、本能は恋人を失った悲しみに満たされていたのです。

「顔でも洗ってすっきりしよう!」そう考えた主人公は、洗面台の前に足を運びました。

ふと覗き込んだ鏡の中。そこにいた自分自身を見て、きっと驚いたことでしょう。

傷ついていないと思っていた自分自身の顔は、悲しさと寂しさに満ちて歪んでいたのですから。

当然といえば当然かもしれません。心の底から愛した恋人を失って、そう簡単に立ち直れるはずもないのです。

そんな自分自身の姿を見て、主人公は色々なことを考えました。

どうしてあの子は自分の夢を最後まで応援して支えてくれなかったのだろうか。

どうして自分はあの子にフラれてしまったのだろうか。

どうして自分がこんなにつらい思いをしなくてはいけないのだろうか。

自分を擁護して、まるで相手に非があったと言わんばかりです。

ただそんなことを考えているうちに、少しずつ冷静な思考を取り戻してきたようです。

恋人との別れも、自分自身の生活がギリギリで厳しいのも、すべては夢のため

そこまでして追いかけ続けていた夢はいったい何なんだ?

そう思い直した主人公は、改めて鏡を覗きこみながら誓ったのです。

夢を必ず叶えるんだ」と…。

想像以上に遠い道のり

別れがくれたエネルギー

そろそろ夢が叶う?
いやいや叶わない
痛みで彩るTIME
無駄なの?無駄じゃないの?
忘れたフリしてトレーニング
いつでもREADY TO GO
イライラするのはNO
その気になればいいよ
100年に一度の
恋が実るようなEPIC DAY

出典: EPIC DAY/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

さて、前向きになった主人公は、夢に向かって再び走り始めたようです。

もちろん、気持ち新たに走り出したところですぐに夢が叶うはずなんてありません。

そこに続く3行目で綴られている「痛み」。

これはまさに、前述した恋人との別れで負った心の傷を指しているのでしょう。

しかし歌詞にもある通り、これは決して無駄な別れではありません。

再び夢に向かって熱い気持ちを滾らせるきっかけになったのです。

タイトルの意味

B'z【EPIC DAY】歌詞の意味を解説!誰に向けて皮肉を歌った?夢を追いかける人間の心情を紐解くの画像

さて、続けて歌詞を見ていくと、タイトルでもある「EPIC DAY」が登場していますね。

これはそのまま本楽曲が収録されているアルバムタイトルにも採用されています。