B'zのバラードの超名曲「ONE」

B'zの必聴の名バラードといえば何を思い浮かべますか?

「いつかのメリークリスマス」、「今夜月の見える丘に」、「ALONE」などなどたくさん出てくるでしょう。

その中でも隠れた名曲といわれているのがこの記事で紹介する「ONE」です。

シングル「ギリギリchop」のカップリング曲として発表。

1999年公開の映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』の主題歌にもなっています。

最もB'zらしく、彼らにしか表現できないような楽曲です。

一般的な認知度は決して高くないですが、確かなメッセージの込められた美しいバラードに仕上がっています。

メロディも素晴らしいですが、切なさで胸が締め付けられるような歌詞も大きな魅力です。

一体、どんな情景を歌っているのでしょうか?

徹底的に解説していきます。

この曲を知っている人もはじめて知ったという人も「ONE」の持つ揺るぎない世界観に浸ってみましょう。

「ONE」の1番のAメロとBメロの歌詞を解説!

孤独を誘う1番Aメロ

B'z【ONE】歌詞の意味を徹底解説!ジプシーの意味と2人の関係性とは?切ない主人公の心境を紐解くの画像

静かすぎる夜だ 耳がうずくほど
僕も君も誰も 眠ってなんかいないのに

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

歌詞の主人公はひとりで音の無い夜を過ごしているのでしょう。

完全な静寂の中にいるとき、耳の奥で何か音が聴こえてきた経験ってありませんか。

いわば無音の音です。

その音を感じたとき、自分の心が外側に向いておらず、内側を見つめているのだと気づいた。

きっとそんな心情を歌っているのでしょう。

人と人との結びつきが薄い現代の夜には、誰もが孤独を感じている。

それを伝えたかったのだと思います。

同時に自分と同じように孤独な人間の存在を示唆し、心配することではないとも言っているようです。

共感や切なさが、たった2行で呼び起こされる歌詞ですね。

冒頭から一気に曲に引き込まれます。

さらに、それぞれの場所で輝いているともし火のような心も見えてくるよう。

孤独が抱えるのはマイナスな事柄ばかりではありません。

ひとりで過ごすことは強さやオリジナリティの象徴であるともいえます。

最後の行は、誰もが美しく個性的な心を持っているというメッセージになっているのです。

それでも寂しさの募るBメロ

B'z【ONE】歌詞の意味を徹底解説!ジプシーの意味と2人の関係性とは?切ない主人公の心境を紐解くの画像

言葉がまだ 大切なこと 伝えられるなら
また 何でもいいから 声を聞かせてよ

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

主人公は言葉の価値に悩んでいるようですね。

偽善や嘘、建前がはびこる人間社会で言葉が誰のためになるのか?という想いがあるのでしょう。

まるで哲学者のような発想です。

歌詞の主人公=作詞した稲葉さんと、ピッタリと当てはまるわけではありません。

ただ1行目の部分では、物事の本質を追求するような稲葉さん独特の作詞スタイルが出ているといえます。

ここで歌詞をより深く理解するために、少し発想を飛ばしてみましょう。

遠い未来では、何か画期的な意思疎通システムが開発され、言葉を使わなくなるかもしれません。

そして言語は人類が発明した最大の過去の遺物となるのです。

そのとき、言葉には何が残るのでしょうか?

そう「声」という音です。

歌詞に話を戻します。

「君の優しい声。意味なんかないけど癒される。それを今こそ聴きたい。」

砂漠の真ん中で水を求めるような主人公の切情が表現されているのではないでしょうか?

劇的な別れを歌う1番のサビ

ここで1番のAメロとBメロが具体的に見えてくる!

わかってるって もう行きたいんだろう 気づかないわけないだろう you're the only one
どんなことでも 無駄にはならない 僕らは何かを あきらめるわけじゃない

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

サビでは一気にシーンが具体的になってきました。

AメロやBメロでは、主人公が大切な人と別れる瞬間の心情を歌っていたんですね。

なぜ静寂に敏感になっていたのか?

それは恋人がすぐ側にいるのに、会話がなかったからなのでしょう。

そしてBメロで歌っているように、突然無性に声が聴きたくなったのだと思います。

恋人の声を聞けるものこれが最後だと悟ったのかもしれません。

サビの歌詞を聴くことで、何気なく聴こえたAメロやBメロに込められた強い想いが伝わってくるようです。

ハードボイルドな別れ

「You're the only one」は「君はたったひとりのかけがえのない存在だ」という意味あいになります。

楽曲のタイトル「ONE」は、かけがえのない人という意味なのでしょう。

一緒に過ごした時間はお互いの人生にとってなくてはならない時間だった。

しかし、2人の別れは、お互いがこれから前に進むために必要だ。

サビの歌詞が伝えているのはそんなメッセージなのだと思います。

感情をそのまま書かないハードボイルドな表現ですね。

言葉の裏にどんな想いが詰まっているのかヒシヒシと伝わってくるようです。

大切な人の未来のためにも自分のためにも、女々しい別れはしたくなかったのでしょう。