「ONE」の2番を徹底解説

新たな夜明け 2番のAメロ

夜明けの瞬間は いつだって退屈だったけれど
いつもと違う太陽が 部屋のかたすみ照らした

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

大切な人と昨晩別れて、新たな旅立ちになると感じとったようなイメージですね。

別れてからは、朝陽の見え方まで違うなんてロマンチックです。

朝、陽が当たる“かたすみ”には、いつもは恋人が寝ていたのではないでしょうか。

しかし、もう誰もいません。そこには部屋の一部があるだけです。

切なさがヒシヒシと伝わってきますね。

“かたすみ照らし〜”という表現から、今まで知らなかった自分の心の一部に巡り会えた印象を受けます。

恋人がいなくなってはじめて照らし出された自分の新たな一面をみることができたのでしょう。

きっとそのとき、主人公は心を一歩成長させることができたのです。 

自由を求める2人を表現したBメロ

夢があるなら 追いかければいい
まるでジプシーみたいに 自由にさまよいながら
僕らは出会ったんだから

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

2人は違う夢を描いていたのでしょうか?

きっと懸命に夢を追っている途中で出会ったのでしょう。

目まぐるしい人生の旅の中の、ほんの一瞬2人の道が重なっただけなのです。

それをジプシーのようだと表現しているのだと思います。

ちなみにジプシーは遊牧民族のことです。

お互い終着点が違うとわかっているなら、途中で別れなければいけない。

恋よりも自由に生きる方が大切だと前向きに表現した歌詞です。

夢も具体的なものではなく、もしかすると生き方そのものを指しているのかもしれません。

前に進み出す瞬間を描いた2番のサビ

また 会いましょ いつかどこかで 忘れるわけないだろう you're the only one
ドアを開ければ 道は眠って 踏みだされる一歩を 待ちこがれている

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

大切な人との再会を望んでいます。

しかし、それもまたジプシーのような人生の中で巡り会えたらという想いなのでしょう。

そして主人公は新たな決意と共にドアを開きます。

“道が眠る”という表現が斬新ですね。解釈が難しい部分になります。

新しい道なら、光り輝いて起きているような印象の方が強いからです。

ここでいっているのは、夢や目標へと長く続く希望の道ではないのでしょう。

まったくあてもなく歩き出す様子を描いているのだと思います。

道は見えていません。

一歩一歩、踏み出すごとに足元を光が照らす。

そんな状態を、道が眠ると表現しているのです。

だとすれば、大切な人と一緒にいたときは長く続く道が見えていたのかもしれません。

主人公は何も目標もない砂漠に放り出されてしまった。

そんな解釈もできます。

ラストのサビで「ONE」結末はどうなる?

過ごした時間は無駄じゃなかった

愉快な時だけ 思い出して 涙におぼれる たまにはそれもいい
ともに過ごした日々は 僕らを 強くしてくれるよ この胸をはろう
ぜったい会いましょう いつかどこかで 忘れるわけないだろう
baby, you're the only one 陽がまた昇ってゆく

出典: ONE/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

2人の出会い、共に過ごした時間、それらはかけがえのないものとして心に刻まれました。

それは主人公にとって誇りでもあるのです。

そして2人は別々の人生を歩んでいきます。

いつかまた巡り会えたなら、あのときの激しい情熱を取り戻すのでしょうか。

おそらく、恋ではなくお互いの成長を認めあえるようなシーンを望んでいるのだと思います。

別れは永遠じゃない