そんな桜が舞う駅のホームを思い出した事をきっかけに、桜並木を歩いた事も思いだします。

よく思い出が風景の絵と一緒に思い出されています。

きっと、都会とは遠い、緑の多い場所なのでしょう。二人の思い出に一層色を添えます。

「君は僕の全てなんだ」そんな言葉も伝える事ができた。

ゆびきりして約束をする事もできた。

若かったからゆえか、桜並木の下でずっと笑顔でいられると信じていたのだと思います。

ふと思い出した桜並木を
君と笑いながら歩いた日々
あの頃の僕と君は若くて
全てを信じようとしてた
指切をしてた約束さえ解けて行く
「 君が僕の全て」そんな言葉すら忘れかけていた

出典: 曲名/恋の終わりに、桜舞い散る 作詞:YUKA 作曲:YUKA

幸せな現在の生活

そうして思い出から、現在の心情に移ります。

そんな事を思い出したけれど、今は交わした言葉され忘れそうで、約束も守れり切れない

若かった。

まるで当時の事を、「今では考えられない」とばかりに思っているようです。

忘れられないあの日の記憶

別れた時の、より具体的な様子も、どんどん記憶からよみがえってきたようです。

その時、スーツを着て地元を離れ明るい未来へ進む直前だった事が伺えます。

最終ベルの時間までぎりぎりここにいたけれど、もうこれ以上時間は延ばせません。

窓に映ったスーツ姿の自分を見て、これまでとは違う自分だと感じたでしょう。

そしてこれからはこの姿が普通になり、新しい生活を始めなければいけないという事も。

夜も深く、街灯に照らされた桜だけが目に入ります。

暗闇に舞い落ちていった桜の花びらを見て、ここでの生活が終わった事を実感します。

そんな桜も見えなくなり、揺れる電車の中で悲しくないはずなのに胸の奥が熱くなります。

未来への期待不安、そして何よりあの子と離れた事

永遠の別れでもないのに、何かを感じ目の奥が熱くなってしまったようです。

手にした今の生活

新しい生活は、思いのほかすんなりと溶け込み順調に進んでいったようです。

あの子のいない見知らぬ土地で社会に出て、認められ、昇給し、新しい出会いもあった。

大切な人もできて共に人生を歩んでいる。

そう、欲しいものを着々と手にして積み上げてきた「幸せ」な生活。

「さよなら」を言わなかった本当の理由

そんな現状に満足し、決して過去に戻りたいと思っているわけではなさそうです。

しかし思い出す、あの日の出来事

なぜなのでしょう?

なぜ、心に引っかかっているのでしょうか?

それは歌詞の最後で明らかになります。

きっと、彼も考え抜いて、時間が経ったからこそ出た答えなのでしょう。

ずるくて、わざと「さよなら」を言えなかった

大人になってわかった、あの頃の自分は若くて意気地なしだったと気が付きます。

さよならを言わなかったのではなく、言えなかったという事にも。

なんだか君の寂しい笑顔が忘れられず
サヨナラも言えないで別れたのは
僕がずるくて意気地なしで馬鹿なせいだそうさ全部
恋の終りに桜舞い散る
恋の終りに桜舞い散る
もう行く事のない桜の駅に
今度こそはサヨナラを言うよ

出典: 曲名/恋の終わりに、桜舞い散る 作詞:YUKA 作曲:YUKA