愛しい人よ いつまでも僕のものであって
そんな顔見せるのも 僕だけにして
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
ずっと守り続けるから、自分だけの存在になってほしいという気持ち。
他の誰かには、もう頼らないでほしい。
実は、目の前の彼女と同じく、将来傷ついていくかもしれない、自分の姿は見えていません。
天使はいたんだ
僕を選んで舞い降りたの
痩せた羽を ひとりこんなに震わせながら
細い肩を抱きしめたいよ こっちへおいで
天使はいるんだ 出会ってしまった
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
傷つき、ボロボロになり、飛べなくなった天使が、自分に助けを求めてきた。
だから、全力の優しさで包み込んで、これからもずっと守り続けていく。
この出会いが避けられない運命であることを、強く確信しようとしています。
傷が癒えた「天使」が飛び立つことの不安
君の涙拭う為に僕は生まれて来た
そうさ、君が舞い降りた日 僕は遂に見つけたんだ
その羽さえなければ君はどこにも行けないのに
ひらひら笑う君を見てた 僕は恋に落ちたんだ
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
彼女を守ることが、自分の運命であることを確信しています。
しかし、傷が癒えて、羽が乾いた天使は、いつか空に飛び立ってしまう。
自分のもとを離れていってしまう。
そのことに気付き、彼女の性格、個性が変わることを望む気持ちが、生まれてきてしまいます。
自分こそが彼女の傷を癒し、元気にすることができるのだという使命感。
ずっと守り続けるから、どこにも行かないで、自分だけのものになってほしいという気持ち。
相反する心の葛藤が、常に気持ちのどこかにあります。
「天使」は空に帰ってしまうのだろうか
天使はいたんだ
僕を選んで舞い降りたの
羽を濡らして 涙を拭う場所を探して
腫れた瞼にキスしたいよ こっちへおいで
天使はいるんだ、今僕の腕の中
天使はいたんだ 僕は君を見つけた
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
恋に傷つき、優しく癒してくれる誰かを求めて、自分のもとにたどり着いた彼女。
その心と傷を癒し、守り続けることを運命として受け入れた自分。
二人の出会いと、恋に落ちていく男子の心を描いた歌です。
天使との出会い、恋の始まりを歌っているようで、思い出を回想しているようにも受け取れる、最後の一行です。
元気を取り戻した天使は、再び天に舞い戻って行く。
「天使」だから。
「天使」は誰のこと?
腫れた瞼にキスしたいよ こっちへおいで
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
傷ついた自分を、優しく包み込んで癒してくれる。
でも大丈夫、僕は絶対 君を諦めたりしない
出典: 天使はいたんだ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
ありのままの自分すべてを、そのまま受け止めてくれる。
どちらも、傷ついた女子にとって、とても魅力ある言葉です。
恋に落ちていく男子の心を歌っているのですが、
実は、傷ついた今の自分をそのまま受け止めて、優しく癒してもらいたい、
そんな、一方的に与えられる優しさが必要な、それを求めている女子のための
歌なのではないでしょうか。
誰でも誰かの天使
歌の中では「天使」の心の動きについては、ほとんど描写されていません。
恋に傷ついて疲れきっている、かよわいイメージだけです。
それは、この恋のストーリーの「天使」に、誰でも自分のことを投影できるようにするためなのかもしれません。
つまり「天使」は、この歌で癒されている、貴女自身なのです。
この歌は、恋で苦しんでいる女子のための、処方箋のような歌なのでしょう。