内容を整理します。
どこが「君」に似ているのか。
それは生まれてこなかったので分からないのです。
しかしこの子どもは実際に「僕」と「君」のDNAを引き継いだ存在であったはず。
「魔物」の正体は「君」の生命まで奪っていってしまった流れた子ども。
もしくは夏の日に起きた何かしらの事件・アクシデントの隠喩を重ねてしまう流れた子どもです。
生命の行き交いはどうしても人を神聖な気分にさせます。
まだこの世に産まれていない生命。
この世で絶望を味わって自ら生命を絶ったかもしれない「君」。
ふたつの生命がひと夏の内に奪われていきました。
とても重い内容の歌です。
「僕」はこれからの人生で背負っていくものが大きすぎます。
明らかな罪の意識で「僕」の人生が潰れてしまわないか心配になるのです。
夏や冬という極端な気候は人の生命を奪いやすいもの。
草野正宗は毎年、夏をどのような気持ちで迎えるのでしょうか。
難解な歌詞ですが解きほぐした後には少しだけ彼に近づけた気分にもなります。
これからもスピッツに寄り添って生きていこうとファンは思いを新たにするはずです。
「夏の魔物」は斯様に鮮烈で悲壮な物語が性急なビートで歌われます。
初期のスピッツの歌世界の深さを改めて振り返りたいです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
OTOKAKEで振り返るスピッツ
草野正宗が固執する生と死
OTOKAKEにはスピッツの関連記事がいっぱいあります。
中でも「夏の魔物」同様に生と死を描いた「流れ星」をご紹介。
スピッツがアマチュア時代から大切に歌い継いできた楽曲です。
なぜ彼らが大事に歌ってきたのかを含めて徹底解説しました。
ぜひご覧ください。
スピッツ【流れ星】歌詞の意味を徹底解説!流れ星に例える意味は?地図に印された目的地ってどこなの? - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
スピッツがアマチュア時代からプレイしていた「流れ星」は1996年に辺見えみりに提供され、以後アルバム「花鳥風月」でセルフカバーされます。非常に切ない想いを抱えた楽曲です。なぜ「君」は流れ星なのでしょうか? 深読みして考察します。
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