永遠のハマショー
その魅力は
デビューから40年以上を経た今も、ファンを魅了し続ける浜田省吾。
その魅力についてみていきます。
そのすべてが
浜田省吾、ハマショーと言えば音楽に詳しくない人でもその名前を知っているのではないでしょうか。
テレビ等のメディアに露出することは殆どないシンガーソングライター。
地道なライブ活動を続けるスタイルながら、その名を多くの人に知らしめています。
シンガーソングライターというだけに、歌うのは歌詞や楽曲を自身で手掛けたもの。
その歌詞には、リアルで素直な言葉がちりばめられ聞く者の胸に突き刺さります。
自分自身の生き方や考え方を真摯に描くその姿勢に観客は魅了されるのかもしれません。
そんなハマショーの魅力のつまった一曲。
弱さを突き付けられて
「MIDNIGHT FLIGHT −ひとりぼっちのクリスマス・イブ」。
クリスマス・イブを舞台に別れのドラマが繰り広げられる一曲です。
本来ならば、恋人や家族とにぎやかに楽しく過ごすはずのクリスマス・イブ。
そんな日に失う恋は、自分の弱さを認識せざるを得ない悲しいものでした。
悲しく、そして切ない一曲をご紹介します。
言い出せなくて
あの娘を乗せた翼 夜空へ消えてく
空港の駐車場 もう人影もない
”行くな”と 引き止めれば 今頃二人
高速を都心へと 走っていたはず
失くしたものが あまりに大きすぎて 痛みを
感じることさえも 出来ないままさ
ひとりぼっちの クリスマス・イブ
凍えそうな サイレント・ナイト
ここからどこへ行こう もう何も見えない空の下
出典: MIDNIGHT FLIGHT −ひとりぼっちのクリスマス・イブ/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾
大切な人を乗せた飛行機は、遥か遠くへ飛び立ったようです。
飛行機の影が消えた方向を見つめながら主人公は何を思うのでしょうか。
止められたのか
主人公の恋人はクリスマス・イブに一人で海外に向けて飛び立ったようです。
単なる旅行や、出張ではなく人生を仕切り直しするために。
即ち、このフライトは主人公から飛び立つためのものということでしょう。
空港へは主人公が車で送ってきたのでしょうか。
だとすれば、まるで旅行に出かける恋人を送り出すような景色にも見えます。
そこに見て取れる二人の関係。
束縛とか、恋人同士だからとかそんな煩わしさを避けてきた二人であるようです。
お互いに自由を気取りながら、本音を上手にかわして繋いできた二人。
勝手と自由とを混同しながら楽しんでいた二人に終焉が訪れました。
その終わり方は自由で身勝手な二人に相応しく、空回りの虚しさで埋め尽くされています。
伝えられずにいた思い
駐車場に車を止めたときは二人一緒。
帰りは一人で車を探しスタートさせます。
都心から離れた空港の駐車場の夜はきっと冷たく寂しいでしょう。
一人にきりになった今、ようやくそのことに気付きます。
以前なら、「真っ暗で寂しいよ。」と彼女に電話したかもしれません。
電話しなくとも、心の中でこの出来事を彼女に話そうと考えるだけで寂しさは薄れたはずです。
彼女と別れるということは、彼女とのちょっとした未来を想像することとも別れるということ。
真っ暗な夜の空に吸い込まれるように消えていった彼女。
一人で高速を走りながら、行くあてのない悲しみで胸がいっぱいになっていきます。