『AliA(アリア)』

世界が注目するニューカマー

今回はどうしても皆さまに知っていただきたいバンドがあります。

すでにご存じの方も多いかと思いますが...。

それは2018年7月に結成したばかりの6人編成のロックバンドAliA(アリア)です。

音源として残されているのは2019年2月にリリースしたデビューEP『AliVe』のみ。

それにも関わらずリードトラックである『かくれんぼ』のMVはすでに100万再生を超えています。

その理由はYouTubeのコメント欄を見れば明らかです。

絶賛の声を贈るのは日本語よりも英語・ヘブライ語・ロシア語といった海外のファンばかり。

媒体での露出の希少さと裏腹に、すでに世界規模で注目を集めるAliAの魅力とは?

『impulse』

impulse/AliA

今回ピックアップするのはデビューEPのオープニングを飾る『impulse』です。

2019年5月4日に公開されたばかりのMVは僅か数日で10万再生を超えています

まあ、もう何が起ころうと驚きませんが...。

ボーカリストのAYAMEの力強い歌声は彼女が影響を受けたというRIZEのJESEEを彷彿とさせます。

結成から1年に満たないという事実が信じられないバンドとしてのグルーヴ感。

そこにクラシックをルーツにもつRINAとTKTがバイオリン&ピアノで美しい華を添える...。

世界水準のバンドとしてはONE OK ROCKUVERworldがすでに先陣を切っています

しかしどちらのバンドとも異なる個性的なサウンドに今世界中のリスナーが期待を込めているのです。

今回は『impulse』の歌詞を解説しつつAliAの魅力に迫っていこうと思います

衝動を今解き放て!

『impulse』=『衝動』

AliA【impulse】歌詞を解説!主人公はどんなストーリーを描いている?我が道を突き進むあなたへの画像

楽曲名となった『impulse』とは「衝動」を意味する言葉です。

AliAはデビューEPの序章としてどのような「衝動」を表現しているのでしょう。

今回はやや変則的ですが『impulse』のサビの歌詞を最初に見てみましょう。

サビから見える「破壊衝動」

衝動 ?幻想? stand up right now!
なんとでも言え 決めたのは僕だ
we can be the change need it!!
ワガママじゃない 何が悪いの?

感情 解放 stand up right now!
僕は僕だ 這い上がってやる
we can be the change need it
感覚重視 どこが悪いの?

全部嘘か?下らない
理屈だらけ つまらないな
僕は僕だ
It's none of your business.

出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN

サビの歌詞を読むことで最初に連想される言葉は「破壊衝動」です。

主人公の、非常に攻撃的な口調には何かに抵抗するかのような必死さが感じられます。

様々なキーワードが散りばめられていますが以下のように分類してみましょう。

  • change(変化)・解放・stand up(立ち上がる)・這い上がる→成長
  • 幻想・ワガママ・嘘・理屈→抑圧

「エネルギー等価の法則」によると溜め込まれた「破壊衝動」は放出しない限り残り続けるそうです。

主人公は何かしらの抑圧により成長への欲求を溜め込んでしまっていたのでしょう。

その抑圧への抵抗が「破壊衝動」として表出していると考えられるのです

ここからは順当に歌詞を見ていきましょう。

僕たちの反撃が今始まる

腐った世界とは大人からの抑圧?

腐った世界が 僕をむしばんでいたって
勝手な理想だけ 何も聞かず
押し付けられて

僕の何を知っているんだ?
品定めされてたまるもんか?
七転び八起き繰り返して
正解が何か 分からない

出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN

『impulse』の主人公が成長を求めて戦う相手とは「抑圧」です

さらにその対立構造が「子ども」vs「大人」という図式になっていることも推察できます。

人は成長するためのプロセスとして数多の挫折を経験することが必要です。

そのことを世界共通の価値観で「通過儀礼」と呼称します。

しかし主人公は周囲の大人たちの抑圧により「通過儀礼」への機会を剥奪されているのです。

主人公は大人たちの抑圧に対抗する勇気を持つことができないのでしょう。