当時の恋愛事情とは?

恋愛結婚が主流になっていった時代背景

昭和40年代から50年代は、恋愛面も時代の過渡期でした。

それまでの古い男女の恋愛観は廃れ、新しい恋愛の形ができていった時代です。

それまでの概念では、女性は結婚したら家に入って家事をするのが当たり前。

よって結婚はお見合いが圧倒的に多く、女性もそれが当たり前という風潮でした。

しかし、「22才の別れ」に登場する男女にはもうそのような古い感覚はありません。

誰からの制約も受けず、好きな者同士で将来の事を決め合う関係でした。

当時の若者たちにとっても、お見合いなどの形の結婚は遠ざけられていったのが実情だったのです。

そんな時代背景の中で、この楽曲の物語は進行していきます。

それでも男女の恋愛観にギャップがあった?

この曲の歌詞に登場する主人公は、お互い好き同士で付き合うことになった男女です。

2人の付き合いは、かれこれ5年になっていました。

2人が同棲していたのかどうかは、歌詞中では触れられていません。

ただ、恋愛関係にあった2人なのに両者の思惑に隔たりがあったようです。

好きな女性と付き合えた事に、一応満足してしまった男性。

一方、恋愛と結婚を冷静に見極めていた女性。

つまり、家庭を持つことが真の幸せであるという概念がまだまだ女性に残っていた時代だったのです。

「22才の別れ」は、この男女の愛に対する隔たりを問うていることになるのです。

別れのタイミング

どうして、明日だとだめなの?

あなたにさようならって
言えるのは今日だけ

出典: 22才の別れ/作詞:伊勢正三 作曲:伊勢正三

曲の冒頭から、女性の決心が描写されています。

しかし、どうしてその別れの時が本日中なのでしょうか?

唐突にはじまる女性の気持ちを読み解くには、この後の歌詞をみていくしかないでしょう。

言い出すきっかけを逃すから

明日になってまたあなたの
暖かい手に触れたらきっと
言えなくなってしまう
そんな気がして

出典: 22才の別れ/作詞:伊勢正三 作曲:伊勢正三

どうやら、女性はまだ本当の決心をつけかねていたようです。

男性には本当の理由をまだはっきりと言っていないようだからです。

本当の理由はこの後の歌詞から分かるのですが、ここまでの歌詞で女性の心理は掴めます。

好きな相手との生活に、心身ともに幸せだった心情が窺えます。

何一つ、不満のない相手でした。それは男性の優しさが身に余るほど熱かったからです。

私にとても優しくしてくれた彼。その彼を私は断ち切らなければならない。

甘い生活は、こんなにも脆く崩れ去るものなのか。

女性の気持ちは、やるせないくらい悲しかったのです。

幸せだった5年間の暮らし

同棲生活

私には鏡に映った
あなたの姿を見つけられずに
私の目の前にあった
幸せにすがりついてしまった

出典: 22才の別れ/作詞:伊勢正三 作曲:伊勢正三

女性の気持ちを、歌詞はさらに描写していきます。

女性はただ、男性に一方的に甘えていたのかも分かりません。

男性の方は、仕事が忙しかったのでしょうか?

一緒にいる時間が、以前よりも少なくなったようです。

さて、この部分の歌詞で主人公たちが同じ屋根の下で暮らしていることが判明しました。

つまり同棲生活です。お互い、好き同士。それは自然な成り行きだったのです。

ただ、この生活が女性にとったら将来への布石につながる期待を持っていたのかも分かりません。

つまり「結婚」です。

それを男性がどこまで認識していたのか。それは今の時点では謎です。

歌詞は、そんな女性の不安定な気持ちを切々と描写しながら2番へと続きます。

あっという間の5年間