愛しい人と過ごした時間の思い出が沢山ある。

それほど充実した時間のあとでひとりになるのは、切ない気持ちに拍車を掛けます。

思いが強ければ強いほどに、相手との思い出も忘れにくいでしょう。

そんなひとりで過ごす時間は考え込んでしまうことありませんか?

自分の元から去っていった人のことを考えてしまうこともあります。

そんな時に離れる理由も色々あるでしょう。

納得できるものもあれば、納得できないものもあります。

納得できない場合でも許せないと思います。

しかし、納得していても許せないと思ってしまうこともありませんか?

相手を愛しく思う気持ちや、思いやる気持ちの底で言えない気持ち。

傍にいてほしい、離れないでほしい気持ち。

それらは時にひとりきりの夜で、顔を覗かせることがあります。

この世の儚さ

永遠なんてものはない

雨の小道に散る花に
この世のはかなさ知りました
ひとつ拾って手に乗せりゃ
悲しみがこぼれます

出典: 流恋草/作詞:里村龍一 作曲:聖川 湧

沈んだ気持ちのなか、ふと傘の隙間から道端に花を見かけます。

その花は雨に濡れてまるで泣きながら身に付けた花を落としていく。

それは愛する人と育んだ心の花も、枯れるかのように終わりを迎えます

人知れずに朽ちる花と人知れずに愛しい人を思い泣いている自分を見た気がしたのではないでしょうか。

雨粒と共に落ちてくる花びらは、まるで泣いている自分のようにも思えてくる。

だからこそ、永遠などなく花びらを手のひらに乗せて見つめれば涙も浮かんでくるのです。

雨に打たれたとしても流れることない気持ち。

雨に打たれて落ちる花びらのように流れていくことはありません。

手放すことも出来ない心はなかなか消えてくれないのです。

あふれる本音

温もりが欲しい

あゝ 抱いて下さい
あゝ 寒い胸をほほづえつけば流れる涙
あなたが欲しい

出典: 流恋草/作詞:里村龍一 作曲:聖川 湧

ほしいのはお酒ではなく愛しい人だという本音。

しかし本音を口にしても、愛しい人はいないのです。

口にする度に締め付けられる切なく、胸を強く締め付ける感覚をおぼえます。

失くしてしまった温もりを求めても今手が届くことはない。

その事実がより一層胸にぽっかりと穴をあけたかのように隙間風が吹くのでしょう。

涙は辛いことを流すために流れていても、心の冷たさや寂しさは流れていきません。

切ない気持ちを押し殺していても、本音をぽろっと吐き出すだけでも崩れていく強がり

ひとりだからこそあふれる気持ちは抑えることは難しいのかもしれません。

思いが強いからこそ、脆くなることもあるのです。

離れる

春はまだ遠いこの街で
ひとりじゃ暮せない

出典: 流恋草/作詞:里村龍一 作曲:聖川 湧

寒い日々が続く時は人肌が恋しくなる時期だと思います。

そんな時に今でも心に住んでいる愛しい人との思い出

一緒にいて思い出が詰まっている此処では、泣き暮らしてしまう。

賑やかに人が行き交う中で、ひとり切ない気持ちを抱えたまま暮らすなど出来ない

離れるにも葛藤は大きいでしょう。

離れたくないと思っている自分もいるかもしれません。

しかし、踏み出すためにもこの場所を離れるのです。

愛しい人を過去の人として、前を向いて心の温かさを取り戻すためにも離れる。

そういう気持ちもあるのではないでしょうか?

また愛しい人が戻ってきてくれるのならば、この場所に居続けることが出来るのかもしれません。

女性の恋

ひたむきな思い

流恋草」の歌詞を解説していくなかで、ひたむきな思いを感じました。

強くありたいと凛として前を向いている女性でも、一つの恋でも変わっていく。

心の柔らかい部分を感じる歌詞は似たような恋をした方なら特に共感するのではないでしょうか?

強く生きていても、愛しい人の前では自分の弱い部分や、傷つきやすい面などを見せてしまう。

だからこそ失ったときの喪失感や、心のダメージも大きいものになってしまう。

恋の傷を癒すことは、時間がかかるものです。

もしあなたがそんな気持ちなら是非「流恋草」を聴いてみてください。

香西かおりさんの歌唱力でより、「流恋草」の哀愁や愛しい人への思いを感じられます。

もし今のあなたも同じ気持ちで涙を流したならそれは良いことです。

前に向かって歩き出せる涙であり、辛い思いをしているあなたに寄り添うもの。

心の傷も、恋の傷も時間をかけて癒えていくのです。

もし、ふと淋しくなったら歌ってみてもいいかもしれません。

ひとりの夜を少しは慰めてくれるのではないでしょうか。