先ほども言いましたが『紅蓮』は疾走感あふれる曲です。
それと同時に、人間の心を熱くさせてくれる「何か」が秘められた曲でもあります。
ジャンルでいえば、スタンダードなロックナンバー。
ミッシェルガンエレファントやブランキージェットシティに通じるものがありますね。
しかし、そこには他のバンドには見られない雰囲気があります。
『紅蓮』歌詞&ギターコード解説
イントロ~Aメロ
C#m A B(3回繰り返し)
C#m E F# G#m B
C#m A E B C#m A E B
C#m E
C#m A B
明かりがあれば影ができると言った
C#m A B
あの日の君の声が忘れられずに
出典: 紅蓮/作詞:Wataru Ujihara 作曲:Wataru Ujihara
ギターコードは原曲キーで解説します。
全体的にギターコードはシンプルです。
C#mやB、G#mやF#はセーハ(人差し指で6弦すべてを抑えるフォーム)。
セーハがスムーズにできる人は、すぐに慣れると思います。
原曲のキーはC#m。
マイナーコードです。
マイナーコードにもいろいろあります。
たとえばC#mと、半音上のDmを聴き比べると違いが分かります。
音色が柔らかいコード、硬質なコード。
このキーはどちらかというと硬質なマイナーコードになります。
C#mを原曲キーとしたことで、この曲の硬質な響きの要因が分かりますね。
Aメロの歌詞はなにやら思わせぶり。
詩的でもあります。
その通りといってしまえばそれまでなんです。
しかしこの世は男がいれば女もいる。
光があれば闇もある。
というように、二項対立しているものが数多くあります。
詩的なセリフをつぶやいたのは、いったい誰なんでしょうか?
主人公の親友、それとも恋人。
おそらくそのどちらかだと思います。
Bメロ
A E
強くありたいと願い
B C#m
蝋燭を消した指
A E B
火の熱さに命を覚えて
G#
僕のコアが弾ける
出典: 紅蓮/作詞:Wataru Ujihara 作曲:Wataru Ujihara
Aメロで言われたセリフが耳に残る主人公。
その主人公の核(コア)が覚醒します。
命の尊さを学んだんですね。
「火の熱さ」というのは文字通りの意味ではなく、例えだと思います。
火のなかに手を入れるのは危険ですからね(笑)
では、何の例えなのか?
おそらく主人公自身の「情熱」の熱さでしょう。
そう設定することで、「君」は、主人公の恋人だと推定できます。
今までにないほど「恋焦がれて」、身の内を「焦がして」しまった主人公。
『紅蓮』とは、灼熱の恋の炎のことです。
ギターコードを見ると、最後の部分にG#とありますね。
このコードは、次のC#mに移るときに、抒情的な効果を出すコードです。
G#mでも良いのですが、G#にすることで切なさを助長させる効用があります。
このコード進行もスタンダードな進行ですね!!
サビ
C#m A E B
紅蓮の愛が心を焼いて
C#m A G# C#m
風に迷えば涙が落ちる
A E B C#m
傷つきながら未来信じて
A B C#m
また先へその先へ行こう
出典: 紅蓮/作詞:Wataru Ujihara 作曲:Wataru Ujihara
Aメロと同じくサビも詩的な歌詞です。
特に「風に迷えば」というフレーズ。
「風を仰いで」や「風になびいて」辺りは思い浮かびます。
しかし「迷う」という動詞はなかなか頭に思い浮かびませんよね......。
音読してみると、短歌や俳句のようなリズム感もあります。
間奏~2番Aメロ
C#m A B C#m E F# G#m F# E
C#m A B
表と裏 善と悪 光と闇の
C#m A B
真ん中に答えを探し続けて
出典: 紅蓮/作詞:Wataru Ujihara 作曲:Wataru Ujihara
間奏も今まで出てきたコード進行なので、比較的弾きやすいと思います。
筆者は「二項対立」と言いましたが、主人公はその「間」を探し求めているんですね。
すべて対立する事項の真ん中というのは、抽象的で捉えどころがないように思えます。
人間が生きていくには、振れ幅が極端では難しいですよね。
そういう意味では、中庸の美学を追い求めるのはとても素晴らしいと思います。