What is the reason you repeating the same thing again?
I’m sure the reason is stupid, silly and insane
Shut it up

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“どうしてお前は同じ過ちを繰り返すんだ?

どうせ愚かで、馬鹿げたくだらない理由なんだろう

その口を閉じろ”

愚かを意味するstupid、silly、insaneを繰り返すことで「嘘つき」の行動原理を断罪しています。

しかし続くフレーズが実に奇妙です。

続きを見てみましょう。

Don’t close your eyes forever. Don’t go away. Come closer
And let’s see what happened. … yeah right, your heart is frozen
煌々と熱く太陽 専用として堂々と
栄光を綴る虚語 I will survive

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“死なないで、どこにも行かないで、もっと側にいさせて

共に何が起きたのかを見届けようよ...、嘘だ、君の心臓が凍るなんて”

主人公は一体誰に懇願しているのでしょう?

永遠に目覚めない、そして心臓が凍り付いてしまった君。

共に怒りの炎を燃やしてきたと信じてきた同志はすでに死に絶えていました。

未だ世界は偽りの言葉で溢れているようです。

息絶えた同志の骸を前に静かに語りあげられてきた歌声が再び燃え上がります。

“必ず生き残ってみせる”

恐怖を乗り越え戦い続けるんだ!

【ANGER/ANGER(MYTH & ROID)】歌詞を和訳&考察!負の感情を吐き出し…浄化しようの画像

You’re ready. Burn up! Fire! Toward this heavy sky
未だ視野は暗く足りない

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“行くぞ、燃やせ!炎よ!闇夜を照らせ”

孤独と向き合い真の「嘘つき」と対峙する主人公。

怒りの炎を燃やし続けます。

Yeah, come on. Spread out! Fears! To the world tonight
Now remember, it’s ’cause of your lies

…Burn up! …Liars!

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“そうだ、蹴散らせ!恐怖を!今宵の世界に

今も思い出す、お前の嘘がすべての元凶

...焼き尽くせ!...嘘つきどもを!”

自らの心の弱さと向き合うことで世界と向き合うことができた主人公。

「嘘つき」は世界の至る所に浸蝕しているのです。

耐えがたき喪失感、失われる感情

【ANGER/ANGER(MYTH & ROID)】歌詞を和訳&考察!負の感情を吐き出し…浄化しようの画像

孤独の傷跡
血の様に溢れ出した涙

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

一瞬の静寂が訪れます。

美しいピアノの旋律をバックに歌われるのは絶望にも似た喪失感です。

もう立ち上がれないかもしれない...。

目からは大粒の涙が溢れます。

No, I can’t cry
まだ何も終わってはいない
Oh please. Dry up. Tears.
They are still alive
I'll lie to my tears…

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“お願いだ、乾いてくれ、涙よ

あいつらはまだ生きている

私は自らの涙に嘘をつく...”

しかし闘いはまだ終わっていません。

自分の涙に嘘をつくこと、それは感情を放棄すること。

そして憎むべき「嘘つき」と同化することも意味するのです...。

壮絶なラスト

【ANGER/ANGER(MYTH & ROID)】歌詞を和訳&考察!負の感情を吐き出し…浄化しようの画像

What are you saying? It’s too late
My sight is red. Can’t stop this red
Let’s go ahead. And take their heads
Go, take their heads. Go, take their heads…

出典: ANGER/ANGER/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID

“戯言をほざくな?もう手遅れだ

目の前に広がる一面の赤、もう止められない

進め、奴らの首を撥ねろ

奴らの首を、首を撥ねろ...”

『ANGER/ANGER』はここで壮絶なラストを迎えます。

主人公は自身を取り巻く世界そのものと闘っていたのです。

おびただしい量の血が流れたことでしょう。

この物語は決してハッピーエンドではないかもしれません。

しかし怒りとは対峙する相手を傷つける負の感情です。

感情の最果てとは世界を燃やし尽くした後の虚無なのかもしれません