吉本坂46「STRAY SHEEP」
迷える羊
吉本坂46は、吉本の芸人たちを集めて作られたアイドルグループ。
その異色さが取り沙汰されることが多いグループです。
しかしながら、メンバーの人生経験の豊富さからか、そのパフォーマンスには他には無い深みが感じられます。
今回ご紹介するのは、そんな彼らの楽曲「STRAY SHEEP」。
「STRAY SHEEP」というタイトルを和訳すると「迷える羊」という意味になります。
このタイトルは一体何を表しているのでしょうか。
また、他の「坂道シリーズ」のグループと同様、吉本坂46でも秋元康が全楽曲の歌詞を手がけています。
彼がこの楽曲とそのタイトルに込めたかった意味とは一体何なのでしょうか。
今回の記事では「STRAY SHEEP」の歌詞の意味を解説していきます。
MVはこちら

白を基調とした空間で、吉本坂46のメンバーが踊るというシンプルなMV。
しかし、メンバーそれぞれの個性が爆発しており、全く退屈しません。
メンバー1人ひとりのリップシンクシーンも、それぞれに入り込んだ表情。
既に芸人として活動をしている彼らだからこそできる表現なのでしょう。
葛藤する気持ち
揺れる心
しあわせだとは思っている
それでも他にもっといいことあるんじゃないかなんて
人間とは欲深き者
自分の弱さに呆れながら ジタバタする
出典: STRAY SHEEP/作詞:秋元康 作曲:HASEGAWA,Huge M
早速、冒頭の歌詞から紹介していきます。
まず1行目では、自分の今の状況について語っているのでしょう。
今は幸せであるというその状況は疑いようの無い事実。
しかし、現状に満足し切れない気持ちでいる。
心のどこかでまだもっと良い思いをしたいという気持ちがあるのでしょう。
そんな自分の欲深さを認識しながらも、それを嫌だと思う気持ちがある。
更に幸せになりたいという欲求と、現状の幸せな生活の間で心が揺れているのが感じられます。
叱ってほしい
高い場所から見守ってる偉い人に
それはよくないダメだって
叱られたい
反発しながら 影口も言って
長いものには巻かれて
歩き出す Ah-
出典: STRAY SHEEP/作詞:秋元康 作曲:HASEGAWA,Huge M
自分自身の気持ちの葛藤に対して、誰かが意見してくれるのを待っているようです。
欲望を良くない感情だと捉えていることが分かります。
更に良い暮らしがしたいという欲求。
誰かがそれを駄目なことだと伝えてくれれば楽だと思っているのかもしれません。
怒ってもらうことで自分で考える必要が無くなり、責任を転嫁できる。
自分より立場が上の人間に叱られたことにどこか不満げでありつつも、内心は安心しているのでしょう。
大きな存在に守られているような気持ちなのかもしれません。
自分では決められない
選択を悩んでいる
誰か 誰か教えてよ
僕は間違っていますか?
この道進んじゃいけないのかな
もう自分一人じゃ 判断できない
出典: STRAY SHEEP/作詞:秋元康 作曲:HASEGAWA,Huge M
しかしそうして選んだ道が、自分にとって正しい選択なのか。
そのことが分からなくなり、周りに対して助言を求めているようです。
もしかしたら誤った道を進んでいるのかもしれない。
そんな不安から、どこか取り乱しているような様子にも見えます。
欲望と今の幸せを天秤にかけながらも、それに対しての答えを自分だけでは出せない。
そのせいで悩んでいるのが伝わってきます。