主人公の覚悟
ねえ二度と泣かないように 君をいじめる君にとどめを刺して
僕と逃げよう 命尽きるまで この世に恩義も義理もないさ
出典: とどめを刺して/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
ここでも主人公の言葉からは無鉄砲さが感じられます。
開き直っているような、心のままに生きているというような印象です。
この以前のパートでも1行目の歌詞は出てきていますが、2行目はここで新しく登場する歌詞。
逃亡のその先にそれ以外の何かがあるわけではないと彼は悟っているようです。
しかしながらそうすることこそが自分たちにとって自分らしくいられることなのでしょう。
この生活が終わる時というのは、自分自身が生き絶える時。
逃げ続けるという覚悟がここからは伝わってきます。
この物語の結末
急カーブ、猛スピード そりゃそうだ
この結末は もちろん想像した
曲がりきれぬ道を曲がろうとしたんだ
せめて最期は 笑っている為
出典: とどめを刺して/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
長い逃亡生活の行く末がこの楽曲最後の歌詞パートで描かれています。
逃げる中でたどり着いた2人の結末は、逃亡の末の事故でした。
この事故というのは、以前いた平凡な生活からの脱却を失敗したことを意味しているのではないでしょうか。
自分自身に嘘をつき周りへの違和感を持ちながら失望感を抱える日常。
そこからどうにか抜け出したと思いきや、そこに待っていたのは今まで以上に厳しい日々でした。
しかしその中で2人は自分を取り戻すことができたのでしょう。
どれだけ厳しくても自分が納得する日々を送れるようになったことを嬉しく思っているのだと思います。
しかしその先にあったのは破滅でした。
それでも2人は逃亡したことを後悔していないのです。
それは自分らしく生きられたということが何よりも2人にとって嬉しいことだからでしょう。
自分の気持ちに正直になったことで笑顔を取り戻した2人。
もう止められないほど2人の車のスピードは上がっています。
このパートでは無理をし続けようとも自分らしく生きるという姿勢が描かれているのです。
例え事故に遭っても自分らしく生きられたことを誇りに思っている2人。
普通の生き方が出来なくても、こうやって本来の自分を取り戻せたことへ喜びを感じているのです。
死を予感させる結末は悲劇的ともいえますが、一方ではこれも1つの幸福の形といえるのかもしれません。
秋田ひろむらしい、影を感じさせながらも前向きになれる物語です。
まとめ
今回はamazarashiの「とどめを刺して」の歌詞をご紹介しました。
周囲と馴染めないことで苦痛を感じていた彼女の逃走劇。
それは彼女が自分を取り戻すまでの過程を描いた物語でした。
刹那的にも感じるその物語ですが、自分を貫いたという意味ではこれは1つの幸せの形なのでしょう。
秋田ひろむは、その独特の歌詞表現によって自分の美学を貫くことを教えてくれているのです。
さて最後に、この記事を気に入っていただけた方におすすめの他の記事をご紹介します。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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