椎名林檎「青春の瞬き」
セルフカバーアルバム「逆輸入 ~港湾局~」の収録曲
「青春の瞬き」は、椎名林檎のセルフカバーアルバム「逆輸入 ~港湾局~」に収録された曲です。
元々は提供曲として製作されたこの曲。栗山千明の5枚目のシングル「月夜の肖像」のカップリング曲として、リード曲の「月夜の肖像」とともに提供されました。
それが椎名林檎自身によってセルフカバーされたのがこの作品です。
編曲家の冨田恵一によってアレンジされ、大人っぽい切なさに満ちたアンビエントなポップソングへと生まれ変わっています。
「逆輸入 ~港湾局~」ってどんなアルバム?
「逆輸入 ~港湾局~」は、椎名林檎のデビュー15周年企画の一環として製作されたアルバムです。
椎名林檎にとって初のセルフカバーアルバムとなった本作は、これまで彼女が他のアーティストに提供してきた曲がリアレンジされて収録されています。
広末涼子に提供された「プライベイト」やSMAPに提供された「真夏の脱獄者」、TOKIOに提供された「雨傘」など、それぞれのアーティストの曲として有名なタイトルが並ぶこのアルバム。中には「これって椎名林檎が提供した曲だったんだ!」と初めて知るものもあるかもしれませんね。
SMAPが「スマスマ」最終回で共演した曲
SMAPの解散により終わった長寿番組「SMAP×SMAP」通称「スマスマ」。
番組内には様々なゲストアーティストとSMAPのメンバーがコラボステージを見せるコーナー「S-Live」がありました。そして、そのコーナーの最終回のゲストとして登場したのが椎名林檎でした。
今までSMAPへの曲提供も行ってきた椎名林檎とSMAPのメンバーたちの初の共演。そして、「スマスマ」でメンバーたちが見せる最後のステージ。そこでコラボされたのが「青春の瞬き」です。
瞬きのような儚い青春時代を終えた後の仲間たちとの別れを歌うこの曲は、「S-Liveの最終回にぴったり過ぎる」「ずるい。絶対に泣ける」と、多くの反響を呼びました。
「青春の瞬き」は、ただでさえ放送終了になると注目されていた「スマスマ」が一際大きく話題になるきっかけを作った重要な曲です。
「青春の瞬き」のMVに注目
「青春の瞬き」のMVにも注目してみましょう。
曲の展開に合わせて静かに始まるこのMVは、具体的なストーリーがあるというよりは、曲の世界観・雰囲気を芸術的に表現したような内容となっています。
切なげに、そして時に思いっきり感情を表して歌う椎名林檎の姿が描かれるこのMV。椎名林檎はいつものように大人っぽい雰囲気を纏っている一方で、まるで少女のような寂しげな表情を見せています。
曲の切なさも相まって、胸がぎゅっと締めつけられるような彼女の姿が印象的です。
「青春の瞬き」の検索ランキング
Yahoo!JAPANで「椎名林檎 青春の瞬き」と検索ワードを入力すると、検索回数の多いワードとして上から順に「歌詞/意味/解釈/コード/楽譜」と並びます。
上位3つに歌詞の意味や解釈を調べるワードが並んでいることから、やはり一番関心をもたれているのはこの曲の歌詞についてだと分かりますね。
そして「コード」や「楽譜」と続くことから、この曲の展開を知ってカバーやコピーをしたいと思っている人も多いと判ります。弾き語りカバーやバンドでのコピーとして人気の椎名林檎らしい検索ランキングですね。
「青春の瞬き」の歌詞を見てみる
詩のように綴られる歌詞
美しさと正しさが等しくあると
疑わないで居られるのは若さ故なんだ
子供みたいに疲れを忘れて寄り掛り合えば
僕らはたった独りでいるよりも有りの侭になる
時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ
今正に僕ら目指していた場所へ辿り着いたんだ
出典: http://j-lyric.net/artist/a00450a/l03175c.html
「青春の瞬き」の中で歌われているのは、「同志と呼べる仲間たちとの別れ」だと言われています。
その歌はメロディアスなものというよりは、詩にメロディを付けて語っている、という方がしっくりとくる響きです。
若くて純粋だった頃、仲間と一緒に有りの侭で生きていた頃を振り返って、思わず「時よ止まれ」と出る言葉。
しかし、そんな青春の日々はまるで一瞬の出来事のように過ぎ去って、やっと仲間たちとたどり着いた理想の場所ですら時間とともに変わっていってしまいます。