3度目の武道館に立つAK-69
苦難を乗り越えスターダムを手にした漢
今でこそ生まれ育った地方を拠点に全国制覇をできるアーティストは当たり前の存在となっています。
YouTubeを筆頭とするSNSの普及は間違いなくその潮流に一躍買っているでしょう。
しかしAK-69がキャリアをスタートした21世紀初頭、時代は全く異なる状況でした。
同じ名古屋出身で唯一成功を収めていたTOKONA-Xは2004年に他界。
シンガーKalassy Nikoff(カラシニコフ)としてデビューした当初は相当な苦労してきたのです。
逆境を乗り越えスターダムを手にしたAK-69の歴史は地方で燻る若き才能たちの一筋の光明だといえるでしょう。
業種を超えた共感の声
数多の逆境をはねのけ今やお茶の間にもその名を轟かせる存在となったAK-69。
彼の楽曲に共感する著名人も多くスポーツ・財界・芸能界まで幅広いファンを獲得しています。
またラッパーとしての成功の証である高級外車・ゴールドチェーンにも惜しみなく投資。
今では地方発のアーティストとして成功するためのロールモデルとして多くの若手の信頼を得ています。
2019年2月27日には集大成的アルバム『THE ANTHEM』をリリース。
同年3月にはキャリア3度目となる武道館公演2デイズも開催するAK-69。
そこで今回はAK-69のライブでのオープニングナンバーとしてもお馴染みの楽曲を紹介いたします。
その曲は2009年、AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff名義でリリースされた『IRON HORSE -No Mark-』です。
『IRON HORSE -No Mark-』
AK-69が歌い続ける意味
2009年のリリースから一貫して歌い続けられている『IRON HORSE -No Mark-』。
AK-69にとっていかに大切な意味を持つ楽曲なのかが分かります。
『IRON HORSE -No Mark-』はAK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff名義でリリースされた最後の作品です。
それまでKalassy Nikoffはシンガーとして、AK-69はラッパーとして名義を使い分けていました。
しかし『IRON HORSE -No Mark-』以降、シンガーKalassy Nikoffの人格も全てAK-69に吸収されたのです。
シンガーでもラッパーでも、もはやポップスターと呼ばれてもどうでもいい。
『IRON HORSE -No Mark-』の成功によりその覚悟を決めることができたのでしょう。
ビートメイカーRIMAZIとの蜜月
『IRON HORSE -No Mark-』のトラックメイカーRIMAZI(リマジ)にも注目したいところです。
彼は当時からAK-69の右腕ともいえる人物で初期の代表曲はほとんどRIMAZIが制作しています。
RIMAZIは諸事情で2012年前後に一度音楽活動から身を引くことに。
しかしAK-69が独立し「Flying B Entertainment」を設立する際に再び右腕として再起したのです。
2019年の武道館公演に向けての『ANTHEM』制作でもキーマンとなったのはRIMAZIでした。
ドラマチックなイントロからオートチューン・ボーカルにもピッタリのバウンシーなビート。
『IRON HORSE -No Mark-』の感動の物語はこのトラックなしでは考えられないでしょう。
誰からもノーマークだった自分が...
ある日名馬だと知ったときの物語
よく見くびられほんで相手にもされん
誰からもノーマークだった自分が
ある日名馬と知ったときの物語
地方馬がダービーを制す
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff
『IRON HORSE -No Mark-』のテーマはイントロのシャウトアウトで全て語られています。
ノーマークのダーク・ホースが全国を制覇する物語。
当時誰もがビッグマウスだと思っていたであろう物語はその後見事に実現されたのです。
MVでは暗闇のパドックから華やかなショーレースを疾走していく様子が表現されています。
数多くのスポーツ選手にも愛されるAK-69。
『IRON HORSE -No Mark-』は体操の金メダリスト内村航平選手にも勇気を与えた曲としても有名なのです。
MVのオープニングには若き日の名優 吉田鋼太郎さんがカメオ出演しています。