ダービーを制すのは俺だ!
Open the gate
飛び出してく準備は万端
名門じゃねぇ だけど誇る看板
Iron horse can't stop
ドロ混じりのエサも喰らい
ダービーをさらう
Call me the -No Mark-
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff
「IRON HORSE」を直訳すると「鉄の馬」。
しかしAK-69が曲名に込めているのは「鋼の精神を持った競走馬」という意味でしょう。
『IRON HORSE -No Mark-』は音楽で頂点を極めるまでの光景を競馬のショーレースに例えています。
例えるなら無名のラッパーがいきなりMステに出演するようなものです。
周囲には華やかな衣裳で身を固めたアイドルや人気絶頂のロックバンドが自身の出番を待っています。
その中でAK-69は下手をしたら司会者でさえ存在を知らないかもしれない環境なのです。
「ノーマーク=大穴の駄馬」と呼べばいい。
武者震いが止まりません。
決して緊張や恐怖ではありません。
ノーマークのダーク・ホースが会場中を、テレビの前の視聴者を完全にロックする瞬間を想像しているのです。
そして遂に勝負の火ぶたは切って落とされます。
名馬の中に紛れ込む1匹の野犬
その眼 Like a 野犬
ほっとけん場面 きっと万馬券
でも誰が買ってくれんだ?
俺みたぁセリにも
出れねぇ お馬
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff
ざっくりといえばAK-69は筋金入りの不良少年でした。
中卒の学歴・少年院への拘置経験・全身のタトゥー。
名古屋にはヒップホップ~ハードコアまで包括する独自のストリートシーンがあることは有名です。
しかしあくまでそれはアンダーグラウンドなシーン。
『IRON HORSE -No Mark-』でAK-69はストリートな姿勢そのままでメジャーシーンに勝負を挑みます。
その姿はさながら超一流の名馬ばかりが居並ぶG1ダービーに紛れ込んだ1匹の野犬です。
最後に泣くのは誰かな?
俺は誰だ? 出所どこだ?
69 Repする K-town
暖まりな 待ったは無しだ
覚悟しな大量の涙
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff
“rep”は“represent”、“K-town”は彼の出生地愛知県小牧市を意味します。
AK-69は尾張小牧のヒップホップシーンを代表してレースに挑むのです。
全身を覆うタトゥーにゴールドのブリンブリンを付けた傾奇者は会場で明らかに浮いています。
感じるのは周囲の訝るような視線。
しかしAK-69の目は確信に満ちています。
悔し涙を流すのは自分ではなく彼らの方だということを...。
AK-69の先見性
冴えわたる尾張弁
ケンカの勝ちの裏にゃ
話したもねぇよな負けもクソ程
さえねぇ縦髪 あれぇ鼻息
笑けるならどうぞ
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff
近年のAK-69のパブリックイメージといえばクールでスタイリッシュな伊達男。
しかし東海地方をレペゼンするラッパーの証として自然に挿入されるいなたい尾張弁も魅力の1つです。
『IRON HORSE -No Mark-』でも随所に口語体としての尾張弁が使用されています。
1回の勝利の裏に潜む数えきれない負け試合。
つまり自身の弱さをさらけ出すときには素のAK-69が自然と現れるのです。
盟友TOKONA-Xとは異なるAK-69の尾張弁
どこの馬主も目もくれん
ココに目を付けるたぁ
まぁ悪くねぇ
MS Entertainment
俺に積み上げたて
この Payment Yeah,
そう 欲しいんだて Drama
痺れるよな CoolなDrama
しっぽは振らねぇ ちゃうわ
出典: IRON HORSE-No Mark-/作詞:AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff 作曲:RIMAZI,AK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff