これが「1984年の音」だった

「ラ・ヴィアンローズ」はエレクトリック・ドラムのビートが強烈に響き渡ります。

後の吉川晃司に較べるとまだまだあどけない発声もこの曲のイメージを決定するものです。

爽快な風のように軽さがある歌唱法は吉川晃司のこの時期の最大の特徴

アーティストとして本格的に成長するともっと力強い歌唱法に変わるので違いを楽しんでください。

シンセサウンドによるSEのような不思議な音。

ビートの他にも乱打されるドラム

聴きどころがたくさんあるサウンド・プロダクションになっています。

これぞ「1984年の音」という趣が強く感じられるのです

分かりし頃の吉川晃司が眩しい

このバラの色は何?

吉川晃司【ラ・ヴィアンローズ】歌詞を解釈!“危険な退屈”にハマってみる?愛あふれるバラ色の人生に乾杯の画像

La vie en rose
La vie en rose
何も欲しくない君さえここにいれば
La vie en rose
La vie en rose
何もしたくない 夢見ることも忘れるよ

なんて危険な退屈だろう

La vie en rose
La vie en rose
何も欲しくない君さえここにいれば
La vie en rose
La vie en rose
何もしたくない 夢見ることも忘れるよ

出典: ラ・ヴィアンローズ/作詞:売野雅勇 作曲:大沢誉志幸

バラには様々な色があります。

エディット・ピアフが曲の中で描いたバラはピンクのような妖艶な色だと評する人がいました

「ラ・ヴィアンローズ」のバラ色も享楽的で妖艶ですがバラの色はもう少しあどけないような印象です。

まだまだ色が定まっていない白いバラの色などを想像します

ふたりの愛の幼さや危うさを感じてしまうのです。

売野雅勇がどんなバラを想像していたかは調べてみても分かりませんでした。

その辺りの判断は聴き手の想像力に委ねているのかもしれません。

この後、吉川晃司が本物のアーティストとして成長する中でバラの色も変化したのでしょう

成熟する前の束の間の季節

吉川晃司はアイドルとして売り出されたり騒がれたりすることを嫌いました

きちんと音楽をやっているのだという気持ちがあったに違いありません。

アーティストを目指したきっかけ、または目覚めは佐野元春ライブを鑑賞したからです。

上述の原田真二ではなく佐野元春

佐野元春も先行して新しい音楽を紡いで時代の寵児になっていました。

才能ある者同士が触れ合うと一種のスパークのようなものが生まれて時代を変えてゆくのでしょう。

吉川晃司は「ラ・ヴィアンローズ」の後にも立て続けにヒットを飛ばし続けて不動の地位を築きます

アイドルと目されているうちにアーティストとしての実力を身に付ける彼。

布袋寅泰とのCOMPLEXでの活動で有無をいわせぬ実力派ボーカリストになります。

それでも「ラ・ヴィアンローズ」での吉川晃司の歌唱から漂う軽さや甘さを懐かしく想い返します

この記事のために聴き直しましたがサウンドも歌詞も歌唱力も色褪せない青春の記憶です。

「バラ色の人生」なんて人生を総括するには、実はまだまだ早過ぎる季節の歌であります

その後の彼を知っている私たちは若い頃を思い出して正に人に歴史ありと頷くのです。

あのときあまりに若過ぎた男女の刹那な「バラ色の人生」を祝福しましょう。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

OTOKAKEで振り返る吉川晃司

彼の人生を決定づけるデビュー曲

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TBS系ドラマ「下町ロケット」での好演が記憶に新しい吉川晃司さん。俳優活動の傍ら歌手としても精力的に活動しています。デビュー30周年記念には日本武道館2daysを、2015年には10年ぶりのライブハウスツアーを敢行。今回は、吉川晃司さんのデビュー曲であり代表曲である「モニカ」にスポットをあててみたいと思います!

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