大人になることって我慢すること?
比べられないもの天秤にかけて
好きがあるから
自分らしいのに
不安にとまどう僕たちは

出典: 東京オータムセッション/作詞:HoneyWorks 作曲:HoneyWorks

こちらは美桜と春輝の掛け合いです。

美桜は学校の先生になり、春輝は映画監督を目指してアメリカにいます。

高校時代には結局付き合うことのなかった2人です。

美桜は春輝への想いを自覚しながら、夢を追ってアメリカへ行く春輝に自分の気持ちを伝えませんでした。

大人になってもその気持ちは消えていないのかもしれません。

しかし大人だからこそ日本にいない春輝への想いを我慢して諦めようと考えているようにも読み取れます。

一方の春輝も、美桜には告白せず夢を叶えるために高校卒業後にはアメリカに行きました。

美桜への想いも自分の夢も、春輝にとってはどちらも大切で比べることのできないものです。

結果的には夢を叶えるための行動をとった春輝ですが、その夢も春輝らしさを形作っています。

それでも、この選択が正しかったのかとふと考える瞬間があるのでしょう。

自分の選んだ道や選択に、不安を抱えているのだと読み取れます。

それぞれが求めるもの

baby girl your eyes and nose and lips
ne- furete itaiyo
baby boy your hands and habit and love and love
ne- aitaiyo
もう一度恋させて あの頃の“好き”を

出典: 東京オータムセッション/作詞:HoneyWorks 作曲:HoneyWorks

1番のサビ部分で、最初は彼女と触れ合えるほど側にいたいという男性視点の気持ちが綴られた歌詞です。

次に女性視点に変わり、彼の手に触れ、癖や愛を感じたいという気持ちが吐露されています。

男性は彼女そのものを求めている一方、女性は彼の彼らしい仕草や愛情を求めているのです。

男性が物理的な距離で気持ちを表現しているのに対し、女性は気持ちの距離を重視しているように読み取れます。

男女で求めるものは違いますがそれぞれが求めているのは自分の想い人ただ1人です。

いつも一緒にいたこれまでとは違う環境になってもそれは変わりません。

もう一度側にいて気持ちが確かに通じていた頃を思い出そうとしているように読み取れます。

受け入れた変化

恋人としての関係性

19 初めての旅行
まあ近場だったけど一番の思い出
それにドライブもして海でズブ濡れになって
二人して風邪をひいたりね

出典: 東京オータムセッション/作詞:HoneyWorks 作曲:HoneyWorks

2番の歌い出しは1番同様夏樹と優の掛け合いで始まります。

2人で初めての旅行やドライブデートなどを楽しんでいた頃を懐かしんでいるような歌詞です。

風邪を引いたのは季節外れの時期だったからなのか、冷え込むほど遅くまで遊んでいたからなのでしょうか。

歌詞からは様々な状況が考えられるでしょう。

常に一緒にいることはなくなっても、新しい距離感で恋人として仲を深めているように読み取れます。

初めての姿と縮めた距離感

20 二人で飲んだ初めてのお酒
酔っぱらっている君もやっぱり良くて…
あぁ(フリだったのは実はくっつきたくて)
そんな君が愛おしかった

出典: 東京オータムセッション/作詞:HoneyWorks 作曲:HoneyWorks

こちらはあかりと蒼太の掛け合いです。

20歳になればお酒が飲めるようになり、普段とは違う一面が見えるようになります。

お酒に強く普段と変わらない人もいれば、酔いやすい人もいるでしょう。

あかりはお酒に酔ったふりをして蒼太にくっついています。

素面では恥ずかしいから、あかりはお酒の力を借りて自分から距離を縮めているのでしょう。

これは大人になったからこそ縮められた距離ではないでしょうか。

蒼太はそれに気づいていないようですが、酔っているあかりも可愛いと思っているようです。

互いに相手のことを愛おしいと思い、気持ちの距離も縮まっていると読み取れます。

忘れたくない想い

きっと会えないからこそ膨らんでいく
想いがあればまた重なって
好きをやめたら
楽にもなれる
それでも出会えた僕たちは

出典: 東京オータムセッション/作詞:HoneyWorks 作曲:HoneyWorks

美桜と春輝の掛け合いのパートです。

想いを伝えないまま離れ離れになった2人は、この恋を諦めることもできずにいます。

もし会える距離にいるのであれば、付き合っても別れていたかもしれません。

しかし片思いのままで終わったからこそ、自分の中でその恋がくすぶり続けているのだと推察できます。

どうせ伝えられないのであれば、諦めてしまっても良いかもしれません。

その方が気持ちは楽になるでしょう。

しかし、自分の中で大切に感じている想いや誰かを忘れることはとても難しいことです。

苦しい片思いであったとしても出会い自体をなかったことにはしたくないのだと感じられます。