「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は基本的に三つの短いバースで構成されています。
実は元々はもっと詳細な描写の歌詞で作られていたそうです。
しかし映画の撮影を終えた峯田さんは全てを白紙に戻し曲を録り直します。
奏者も聴き手も主人公と一緒に何も分からない状態で走り続けるような曲に再構成したのです。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」はマンガ&映画を見ると一定の回答を得ることが可能です。
もちろん楽曲だけ聴いて感じたものがあなたにとっての回答でもあります。
素晴らしい楽曲は聴き手に全てを委ねるのですね。
カップリングの『夢をあきらめないで』
本作にはカップリングに岡村孝子の「夢をあきらめないで」が収録されています。
実は劇中で田西がある覚悟を決める時にカラオケで歌った場面がそのまま収録されたのです。
それは「あなた」のために走る覚悟を決めるために必要な儀式でした。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」と対になる重要な曲なのです。
『光のなかに立っていてね』に収録
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は2014年の「光の中に立っていてね」に再録されています。
このアルバムには「17才」、「あいどんわなだい」、「光」の既発曲も再録されました。
しかし全ての楽曲がアルバム用にアレンジを変え再録音されています。
常に1stアルバムを作りたい
銀杏BOYZのレコーディングは修行のような境地で行わるのは有名な話です。
峯田さんは「常にファーストアルバムを作りたい」と語ります。
初期衝動が銀杏BOYZのキモなのです。
そのため既発曲もレコーディング中にアレンジがどんどん変更されていきます。
苦難を極めたレコーディングの果て
「光のなかに立っていてね」はライブアルバム「BEACH」と二枚同時発売されました。
このつ二のアルバムは双生児のような関係にあります。
「ノイズ」と「打ち込み」の導入が顕著なのです。
苦難を極めたレコーディングは我孫子さんとチン中村の途中脱退に繋がりました。
そしてアルバム発売日は最後のメンバー村井さんの脱退が告知される日でもあったのです。
銀杏BOYZのPVは長い!
初期銀杏BOYZのPVが長尺であることは有名です。
今回紹介している「ボーイズ・オン・ザ・ラン」のPVは11分53秒。
実際の曲との差はなんと6分以上です。
PVとは文字通りプロモーション用のビデオのことを指します。
しかしここまで長いとMTVやスペースシャワーでかけることは困難です。
銀杏BOYZの初期衝動はPV制作にまで及ぶのでした。