木枯らし、はまさに秋を象徴する単語ですね。
この単語一つで落葉が進む町並みが想像できます。
そしてそこを一人で歩く一人の男。
さらに去ってしまった誰かを想うような、孤独な男の心情が添えられています。
春を待つより今すぐに あなたの元へとまっすぐに会いたい
出典: BLUE BE-BOP/作詞:RIP SLYME 作曲:RIP SLYME
寒くなっていく季節の中で、想い人の温もりを求める歌詞。
ストレートな表現が心に響きます、なんて甘いリリックでしょう。
「会いたい」と言われている対象は元恋人?と考えるのが自然ですが・・
ここで是非SUのリリックにも注目して見てください。
マヌケなベイベーは誰?
そのままごとな流行りにモロがっつき 染まり うぬぼれ 便利なもんさ
穴埋め ただのシンガーソング すれ違いの残り香かぎ
さらば 楽園愛した マヌケなベイベー
出典: BLUE BE-BOP/作詞:RIP SLYME 作曲:RIP SLYME
大ヒットした前作シングルの「楽園ベイベー」が歌詞の中に隠れていることはお分かりでしょうか?
彼ら自身の知名度とHIPHOPという音楽ジャンルを大衆に知らしめた名曲「楽園ベイベー」。
世間がその流行りに乗ったマヌケであると言いたい?
実は、これは大ヒットで調子に乗っていた自分たち自身に向けての歌詞だと言われています。
一気にメジャーアーティストとなった自分たちを一歩引いた場所から見ているかのようなSUのリリック。
なぜ大ヒットの直後にこんな表現がされたのでしょう?
それはHIPHOP文化のひとつである”ディス”と”アンサー”が関係しています。
公開ディスへのアンサーソング?
ディスられたRIP SLYME
RIP SLYME は「楽園ベイベー」での大ヒット後。
キングギドラの「公開処刑 feat.BOY-KEN」という曲内でディスられているんです。
あと芸能系聴くと感狂う リリックつらい 屁理屈ライム
自分の声の重みを知れ もう一度James Brownから聴け
出典: 公開処刑 feat. BOY-KEN/作詞:ZEEBRA, K DUB SHINE, BOY-KEN 作曲:ZEEBRA
この屁理屈ライムというのがRIP SLYMEのことと言われています。
RIP SLYMEの音楽は大衆ウケを狙った中身のないHIPHOPだ、という批判でした。
そしてディスられたらアンサーを出すのがHIPHOPでは当たり前のこと。
アンサーのない歌手は「腰抜け」と言われてしまうんです。
つまり「BLUE BE-BOP」はキングギドラへのアンサーソングとされています。
RIP SLYMEが送ったアンサーとは?
攻撃を受けたRIP SLYMEですが、アンサーとして攻撃を仕返した訳ではありません。
逆にその批判を受け止める形でアンサーを出したのです。
それが前述したSUのリリックにもあるように、自分たちのうぬぼれへの戒め。
またイルマリのリリックではこう言っています。
それは それで 何も変わらねー
奏でる 奏でる オレらの Flower Soul
出典: BLUE BE-BOP/作詞:RIP SLYME 作曲:RIP SLYME
彼らの音楽活動は変わらずに続いていくと表現されています。
すでにメジャーアーティストとなっていたRIP SLYME。
攻撃的なリリックを発表できる立場では無かったということもあるでしょう。
さらにアンサーは歌詞の内容だけはありません。