ericaの歌はなぜ心に響く?
erica(エリカ)は山梨県出身の歌手で、2006年にオーディションがきっかけでデビューしました。
YouTubeにアップしたPVが話題になり、Twitterに歌詞が投稿されることも多いため、「SNS歌手」「口コミ歌手」という異名がありますね。
ではどうしてericaの歌はSNSをはじめとする口コミで良さが広まっていくのでしょうか?
それは、誰もが恋をするときに感じるリアルな気持ちを丁寧に描いているからです。
ドラマや映画では、現実ではあり得ない、夢のような恋の物語が描かれることがほとんどです。
もちろん作品としては素晴らしいのですが、身近に感じられるかというと、やや疑問が残ります。
それに対して、ericaの歌は恋愛の良い面と悪い面を公平に描いており、とても現実味があるのです。
今、この瞬間に恋をしたり、結婚生活を送っていたりする人が自分のことのように感じられるから、多くの共感を得られるんですね!
ericaの「大好きでした」は失恋ソング!
先ほど、ericaの歌は恋愛の両面を描いているとご紹介しました。
ericaの「大好きでした」は、恋の悪い面、つまり失恋を正面から描く内容となっています。
もちろん一概に失恋が悪いとは言い切れませんが、辛いことであるのは確かでしょう。
ただ、そこから目を逸らさずにしっかり向きあおうとする姿勢は、ericaのほかの歌とも共通しています!
erica「大好きでした」の歌詞とその意味
今日恋が終わりました
声を枯らして泣きました
思い出にできるかな
いつか いつか
もう戻れない会えない
全てがあなただったから
一人じゃ歩けない
今は 潰れそう
さよなら 大好きでした
どうか私を忘れないでね
魔法のような恋でした
あなただけを見ていた
ウソでもそばにいたかった
出典: https://twitter.com/I_TAKANORI_EX_3/status/735137006271926272
どうでしょうか。あまりにもリアルな叫びに、胸が痛くなりそうです。
失恋を経験した方にはちょっと辛いかもしれませんが……ついてきてくださいね!
まず、本気の恋をしている最中って、相手が本当に大切で、人生の全てに感じられますよね。
どんなイケメン俳優よりも素敵に見えて、「魔法」をかけられたかのようです。
だからこそ、失恋した時のショックが大きいことは言うまでもありません。
失恋を悲しむだけでなく、前を向く姿勢も泣ける!
もちろん、「大好きでした」は、ただ失恋を嘆くだけの歌ではありません。
まず、先ほどの箇所では「思い出にできるかな」と、時間が経って傷が癒えることを願っています。
失恋に限らず、仕事上の大きなミスや災害に遭遇しても、いつかは笑えるようになるものです。
そして、次の部分では恋をしていた最中の辛さと、その人に伝えたい今の思いが歌われます。
あぁこんな日がくること
どこかで分かっていたけど
こんなに苦しくて辛いものなんだね 平気なふりしていたけど心の中はいつも泣いてた
あなたの前でだけは笑顔でいたかったの
最後まで誰よりも大好きでした
ずっと私の大切な人どこかで会えるその日まで
見守っていて必ずこの夢叶えて見せるよ
出典: https://twitter.com/azumi012603/status/798477268754366465
ちょっと意外ですが、「大好きでした」の主人公は彼との別れを予想していたんですね。
それでも彼のことを嫌いになれず、いつも笑みを絶やさなかったのです。
そして、別れた彼に恨みを言うこともなく、いつか大切に人に出会うから見守っていてね、と語りかけます。
失恋は決して悪いことじゃない!
もうひとつ、ericaの「大好きでした」の大きな特徴は、失恋をポジティブに捉えていることです。
失恋ソングといえば辛い気持ちを綴るものが多いですが、ericaは「大好きでした」で失恋を良い思い出として描きます。
ありがとう 大好きでした
もっと素敵な私になるね
2人出会った日々を今
誇りにしてこれから進むよ
さようなら 大好きでした
どうか私を忘れないで
魔法のような恋でした
あなただけを見ていた
嘘でもそばにいたかった
出典: https://twitter.com/BigCastle_0623/status/870539888692609024
もちろん、失恋などせずにゴールインできたほうが良いですが、過ぎたことを悔やむなら、前向きになったほうがいいですよね。
彼のことを悪く言わず、彼との時間は「誇り」なのだということこそ、ericaが「大好きでした」で伝えたかったことでしょう。
もっと平たく言えば、「良い経験になった」ということですね。
失恋ソングといえば、辛い気持ちを述べたり、主人公が「元気を出して」と失恋した人に語りかけるものも多いです。
ericaの「大好きでした」はポジティブで、しかも自分自身の決意を歌うところが、多くの失恋ソングとは異なる特徴であると言えるのです。