愛おしいだろ?離れたらわかるだろ?
戻りたい そうだろ?
忘れさられていく 青い春が
僕にとってはいらない
痛い痛い痛い記憶で
思い出そうなんて 言えないけど
たしかにあった幸せな記憶が
出典: ノスタルジア/作詞:TKT 作曲:EREN
決して戻れないと分かっているからこそ、気付いてしまった本当の気持ち。
あの日々に帰りたいと思えば思うほどに、どうしようもなく心が痛みます。
それは、何気なく過ごしていたあの頃には感じることができなかった感情。
時間が経って、距離が開いてしまったからこそ、失ったものに気がつくことができるのです。
今振り返れば、あの時あの場所でああしていれば良かった……。
後悔の思いは、考えれば考えるほどに溢れ出てくるようです。
しかし、辛いからといってそれらを蹴散らせるほど、主人公は強い心を持っていません。
今も、そしてこれからも、後悔と共に長い人生を歩んでいくのです。
過去を無駄にしないために
失ったものばかりを見つけないで
失ってはないはずだろ
つちかっていたはずのものは
なんだろう?
出典: ノスタルジア/作詞:TKT 作曲:EREN
あの頃と比べて、手元からなくなったものばかりを考えてしまう主人公。
それは誰にとっても同じで、自分が得たものについて深く考えられる人はなかなかいません。
若さを失った、勇気を失った、自分らしさを失った……。
もう経験できない眩しい日々に、たくさんの大切なものを置いてきてしまったかのようにも思えます。
しかし、もう取りに戻ることのできない日々を思い返しているだけでは、人は前に進むことができません。
これまでの足跡ばかり気にして、自分の可能性に気がつかないままでは、人生は何も変わらないのです。
それならば、あの頃と比べて今の自分が手に入れたものを考えてみましょう。
そして、あの頃から変わらず、今も大切にしているものについて考えてみるべきです。
あの出会いがなければ
”ありがとう”を笑って言えるのも
“ごめんね”が言いにくいのも
あの頃の全てが僕を作っていたんだね
出典: ノスタルジア/作詞:TKT 作曲:EREN
純粋そのものだったあの頃の自分は、「心の内側」をさらけ出すことに躊躇してばかりでした。
しかし、そんな主人公の心を優しく開き、外へと誘ってくれた君。
そんな経験があったからこそ、外の世界と繋がれる「今」があるのです。
そう考えてみれば、昔と比べて成長した部分がいくつもあることに気がつきます。
それらは全て、あの頃がなければ手に入れることができなかったもの。
主人公と君が出逢っていなければ、決して今の主人公はここにいないのです。
過去から気づける自分の個性
“ありがとう”これからも笑うよ
“ごめんね”ちゃんと伝えるよ
今頃気づけたから
独り街並みを眺めてみよう
かすかに残るのは 笑う面影
出典: ノスタルジア/作詞:TKT 作曲:EREN
感謝の気持ちを素直に、そして明るく伝えることのできる主人公の「長所」。
そして謝罪の気持ちがなかなかいえないでいた主人公の「短所」。
これらが過去の自分によって作られていたものであると、ようやく今気がつくことができました。
長所はそのまま自信へ、そして短所はこれからの目標へと変えていけるもの。
それぞれが自分にとってかけがえのない「個性」なのです。
それらに気がつかないふりをして、周りの大人と足並みを揃えて生きてきた現在。
自分をさらけ出すことの大切さや、それを支えてくれる人の存在は忘れてはいけないことなのです。
もう、夕暮れにあの頃を思い浮かべて涙を流す主人公の姿はありません。
愛おしかった青春を思い浮かべ、あの幸せな気持ちを思い出すだけです。
忘れるにはあまりにも輝きすぎていて
過去の自分が伝えたいこと
忘れかけたままの 淡い色は
僕にとってはかけがえのない
伝えたい時間だ
出典: ノスタルジア/作詞:TKT 作曲:EREN
自分に青春などなかった、と心から追い出してしまっている人もいるでしょう。
しかし、どんなに責め立てようと青春が色を失うことはありません。
あの頃感じた幸せは、ぼんやりとしているようで、確かにそこにあるもの。
見て見ぬふりをするには難しいものばかりです。
そして、そんな青春の中から大切なメッセージを読み取った主人公。
今の自分に宛てられたかのようなそれは、いつまでもこの日々を忘れないでほしいという願いでした。
自分の経験した思い出を振り返ることができるのは、世界中で自分しかいません。