ことごとく病気に繋がる
動脈硬化?
ケーキを食べて笑った
複雑骨折?
楽しくて飛び跳ねてた
眼瞼痙攣?
雨上がりの虹を見た 君と一緒に
神経衰弱?
片思いの恋をした
記憶喪失?
淡い気持ち覚えてた
睡眠障害?
昨日 そんな夢を見た気がしたよ
出典: シックシックシック/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
病名に続き、「主人公目線での認識」が繰り返されます。
- スイーツを過剰に摂取して動脈硬化に。
- 無邪気に動いただけなのに、骨がバキバキに折れてしまった。
- 幻想的な「虹」は目の異常により見えていただけ。
- 叶わぬ恋を経験して神経を擦り減らしてしまった。
- 淡い期待が過去の記憶を塗り替えてしまった。
- 夢を見ていたら睡眠の質が低下した。
ここでも虚しい印象を受けませんか?
真っすぐで明るい気持ちのはずが、ことごとく「病気」と診断されてしまう…。
世の中の無情さを痛感するフレーズです。
不器用な自分
世界に取っ散らかった
シックシックシック
ざらめの感傷ばっか
チクチクチク
ああ もうちょっと
ああ もうちょっと
器用に生きれたらいいのにな
出典: シックシックシック/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
ここで主人公の胸の痛みが吐露されます。
純粋に生きていれば「病気」とみなされて、世界に取り残されてしまう…。
そんな自分の不器用さを嘆いているのでしょう。
「ざらめ」という言葉が独特ですね。
ザクザクとした大き目な塊の砂糖を意味する「ざらめ糖」のことでしょうか?
おせんべいなどについていると美味しいですね。
でも、食べようとすると少し「チクッ」とした食感です。
これを「胸がチクチク痛む」という描写と掛け合わせているのかもしれません。
病気なのはそっち
お前ら 一切合財
シックシックシック
あっちの言い分じゃ
ぼくがシックシックシック
ドキ ドキ もしかして恋かな
いや 病気だよ
出典: シックシックシック/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
主人公は周囲に「病気だ」と言われたようです。
でも、主人公目線では「むしろお前らの方が病気だから」という発想を持っています。
病識がないのかもしれませんね。
自分の認識では至って普通。
逆に、自分と異なる思考を持つ世間がおかしい気さえするのです。
そして、続けて興奮する精神を「恋かな?」とポジティブに描写。
「それは病気だよ」とツッコミを入れられて、サビのフレーズは締めくくられました。
頑張っているのに空回り
診断結果は…?
誹謗中傷に慣れていても
診断結果に怯えていたよ
反抗心がない 全部しょうがない
その症状は よくあるやつだよ
出典: シックシックシック/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
歌詞の意味をそのまま捉えると、主人公は病院を受診したと思われます。
周囲に「病気だ」と批判されてきた主人公。
他人に厳しい意見を突きつけられることには慣れてしまったようです。
でも、専門家である医師の診断は別。
そこで正式に「あなたは病気です」といわれると、もう抗うことはできません。
後半では「どうにでもなれ」と言わんばかりの無気力な発言。
それに対して「よくある症状ですね」と医師が返したのでしょうか?
空回りばかり
心臓疾患?
胸の高鳴り覚えた
扁桃腺炎?
声を枯らして叫んだ
顎関節症?
夜通し喋り続けた 君と一緒に
鼓膜裂傷?
誰かの声が聞こえた
精神疾患?
目が覚めて気づかされた
三大疾病?
現実を閉じて蓋してたこと
出典: シックシックシック/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
Bメロは先ほど同様、病名が列挙されます。
意味を考えてみましょう。
- ドキドキと胸が高鳴る高揚感は、ただの心臓の異常。
- 「声が枯れるほどに叫ぶ」という熱意の感じる行為は、ただの扁桃腺炎だった。
- 朝まで語り合う経験は、顎を疲弊させた。
- 突如聞こえた誰かの呼びかけは、単なる耳の故障だった。
- ようやく自分が精神疾患であると気が付くことができた。
- 日常に目を背け、生活習慣病になっていた。
1番とはちょっとニュアンスが違いますね。
「無邪気さ」が失われ、代わりに「思い入れ」が深まっています。
大切な経験がことごとく空回りしている…。
そんな印象を受けました。