五木ひろしのわすれ宿ってどんな曲??

【五木ひろし/わすれ宿】38年前の○○に収録されていた”隠れた名曲”。隠された歌詞の意味を徹底解釈!の画像

隠れた名曲

五木ひろしの「わすれ宿」を2017年の4月26日に再発売されました。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%9C%A8%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%97

実はこの曲は最初、1979年発売のアルバム「ひろしとギター(5)演歌」に収録されていたのです。新録音された2017年のニューバージョンというわけです。

なぜニューバージョンが発表されたのでしょうか?

「わすれ宿」の作詞は中山大三郎、作曲は船村徹ですが、2017年2月に偉大な作曲船村徹が亡くなってしまったのです。

若い頃、売れない五木ひろしは船村徹から応援を受けていました。その恩義と追悼の思い込めて「わすれ宿」を新録で発表したのでした。

天国の船村徹もよろこんでいることでしょう♪

オリジナルの「わすれ宿」は30代の五木ひろしが歌っています。今の五木ひろしが歌う「わすれ宿」と比べてみるのも面白いでしょうね♪

進化した五木ひろしがどのような節回しで歌うのか興味深いです。

それでは、故船村徹に捧げる追悼の「わすれ宿」の世界をみていきましょう!

「わすれ宿」の歌詞の意味をチェック!

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「これでいいね」

「わすれ宿」は不倫カップルの歌です。昭和の曲なのでイメージは昭和の不倫カップルを思い浮かべて下さい。

平成の世の中とはちょっと感覚が違うので、その違いに注意しながら歌詞を深掘りしていきましょう。

これでいいねと 宿帳に
妻とあなたは 書き入れる
窓の外 悲しげに
なく虫を 聞きながら
浴衣の胸に 指をやる

出典: わすれ宿/作詞:中山大三郎 作曲:船村徹

不倫カップルがひと目を偲んで宿に泊まるようです。

宿帳というちょっと古めの言葉が出てきます。今でも宿帳という単語は使いますが、ホテルの登録者名簿といったら分かりやすいでしょうか。

宿やホテルに泊まる時に氏名や住所を記入する書類ですね。これは宿泊時にトラブルなどが起こった時に身元が分かるように記入します。

「これでいいね」と言いながら、宿帳の女の「関係」の欄に「妻」と書き入れます。ここは女としては複雑な心情です。

「これでいいね」と言われたら「いやだ」と思っていてもなかなか言えませんよね。

おそらくこの2人は男性の方が力関係が上なので余計に「ダメ」とは言えません。「ダメ」と言えないのを分かっていて男が押し切るような感じもします。

本当は女は「正室の座」を狙っていると考えたらどうでしょうか。男が「もう少しで妻とは別れるから」なんて甘い言葉をかけているのかもしれません。

だとしたら、女の心は複雑ですよね。もう少しで正室になれるのか?それとも男はこの都合のいい関係を引き延ばそうとしているのかと疑心暗鬼な心情です。

そうして2人は宿の部屋に入ります。窓の外では悲しげに虫が鳴いています。女の心を代弁するかのように。

男は女の浴衣の胸に手を伸ばしてきました。欲望が抑えられないようです。

どこかさびれた この宿が
今のふたりに 似合うわね
しのび逢い もえたとて
明日は又 よその人
甘えてみたい しみじみと

出典: わすれ宿/作詞:中山大三郎 作曲:船村徹

このさびれた宿が2人にはお似合いです。人目を避けて密会しなければならない関係。堂々と手をつないで町中で歩けない関係。

「この宿が今のふたりに似合うわね」と女が男に皮肉を込めて言います。男は皮肉と知ってか知らずか、おそらく聴こえなかったふりでしょう。

男はこの都合いい関係をできるだけ面倒にならずに続けたいでしょうから。この宿で一晩お互いに燃え尽きた後、また明日からは外で他人の振りです。

男は割り切っているから、いいでしょうが、女が本気ならばこれほど苦しいことはありません。

「甘えてみたいしみじみと」というのは女の本音でしょうね。とても切ない心情です。

コソコソ隠れて密会するのはストレスですし、何より密会するということは男が女のことを本命だと認めてくれていない証拠にもなります。

男のいやらしさを女は感じつつも、今はこれ以上男を責め立てるのもどうかなと苦悩しているのではないでしょうか。

早く、妻と別れて「私を選んで!」という言葉が口から出かかっています。

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「うれしいわ」

あなたつかれて いるようね
同じくらいに なやんだの
ありがとう うれしいわ
心だけ くださいね
涙にふける わすれ宿

出典: わすれ宿/作詞:中山大三郎 作曲:船村徹

女が男に気遣っています。男が女との関係を前進させるような期待させる言葉を発したのでしょうか。

男が今の2人の状況についての悩みを打ち明けたのかもしれません。

「ありがとう。うれしいわ」女は男に声をかけます。男の気遣いがうれしかったようですね。

「心だけくださいね」と今の関係を肯定するような言葉を女が言っています。

でも、これってちょっと「昭和的な都合のいい女」ではないでしょうか。

男は自分の欲望のために女を犠牲にして不倫をしています。そして、女は男の気持ちを汲んでこの現実を受け入れる。

これって、もう平成の世の中では通用いたしません(笑)。

あまりにも、女性の気持ちを蔑ろにしすぎですよね。昭和の時代では通用したかもしれませんが、平成ではアウトです!

こうやって時代が流れると歌の世界観も変化していくので面白いですよね。

男性の視点ではなく女性の視点で「わすれ宿」を聴いてみると新しい発見があるのではないでしょうか。

「わすれ宿」は涙にふける女の描写で終わります。

この女性は早くこのどうしようもないクズ男と別れて、しっかり愛してくれる別の男性を探したほうがよさそうです!(笑)。

「わすれ宿」の動画をチェック!

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