名探偵コナンの主題歌『世界はまわると言うけれど』
2007年11月にリリースされた『世界はまわると言うけれど』。
通算7回目の名探偵コナン主題歌に選ばれました。
『忘れ咲き』のシングルから実に3年ぶりのエンディングソング。
落ち着いたテンポながら強い意志を感じるGARNET CROWの魅力が詰まった1曲です。
さっそく歌詞に触れていきましょう。
ただ過ぎていく日々
永い夜が朝が昼が すべてのらりくらり流れゆくよ
日々をつないでゆくにも そうね 意思というものが必要?
出典: 世界はまわると言うけれど/作詞:Azuki Nana 作曲:Yuri Nakamura
冒頭の歌詞。
夜、朝、昼とただ過ぎていく永い時間。
ここでは「長い」という表記ではなく、「永遠」の「永」を使用しています。
永遠と感じるほど永い時間がただ無意味に過ぎていく日々。
そんな日々に必要かと問いかけているのは意思。
何かを考え、心で何かを思う、人にとって大切な感情である意思。
この永い日々の中でそんな思いは必要なのか?
そんな疑問を感じるほど、私が心を閉ざしている心境が綴られています。
何かを信じ、泣いていたときもあった
傷ついて泣いていた日もあった気がする
何かを信じようとして
出典: 世界はまわると言うけれど/作詞:Azuki Nana 作曲:Yuri Nakamura
そんな私もかつては感情的で傷つき泣いていた日もありました。
その理由は、まだ何かを信じる心があったから。
何かを信じ、何かが変わるという期待があるからこそ、人間らしく心に傷を負い、涙を流すことができたのです。
信じていたこととは一体何なのか、後程詳しく考察していきます。
世界がまわっていく中、自分は…
私の中には何も駆け巡らない
世界はまわると言(ゆ)うけれど
何も私の中めぐるものなどないから
出典: 世界はまわると言うけれど/作詞:Azuki Nana 作曲:Yuri Nakamura
サビ部分。
世界がまわるというのは、地球の回転の例えと考えられます。
地球が毎日まわり続け、過ぎていく日々。
地球がまわる間も、人の生活は変化し、進化し、様々な出会いや別れがあります。
地球ではなく、あえて世界という言葉を使うことにより、人間の人生の変化にも重なるフレーズになっています。
しかし、私にとってはそんな変化は無縁。
世界(地球)がまわり続けるように日々変化し動き続ける人生。
しかし、自分の人生には何も駆け巡るものはない。
つまり、自分にとっては、人生はストップしたようなものであり、何も変わらない日々が続いているのです。
ただ月日の流れを目にとめて生きていく
そっとただ窓の外ながめ
季節が移ろうのをみていましょう
出典: 世界はまわると言うけれど/作詞:Azuki Nana 作曲:Yuri Nakamura
そんな日々に対して、自分はどう思うのか。
ただ景色を眺めるという描写から、過ぎていく日々をただ俯瞰して生きていきたいと感じています。
しかし、変わらない日常の中で唯一変化がわかるのが、歌詞にある季節(四季)。
四季により年月が過ぎていくことを実感しながらも、意思を持たず、ただじっと生きていく。
そんな生き方を主人公は貫いています。