人気VOCALOIDプロデューサーdorikoによる名曲!

音楽への願いが込められた1曲

【歌に形はないけれど/doriko feat. 初音ミク】歌詞の意味を解釈!歌が届けられるものとは?の画像

【ロミオとシンデレラ】【夕日坂】など、数々の名曲で知られるVOCALOIDプロデューサー、doriko

2007年より活動を開始し、VOCALOID黎明期を支えた名プロデューサーの1人です。

今回ご紹介するのは、そんなdorikoによる名曲【歌に形はないけれど】

彼の「ミクバラードの神」の呼称の由来ともなった1曲の歌詞について、今回は解説していきましょう。

シンプルで胸に響くMVもチェックして

歌詞を解説する前に、まずはMVと一緒に一度楽曲をお聴きいただければと思います。

壮大なストリングスピアノから始まるイントロに、涙腺を刺激されたという方も多いことでしょう。

機械の歌姫、初音ミクがこの曲で歌うのは音楽や歌うことの素晴らしさ

音楽で、歌で、救われる心がある。だからこの歌が、誰かを救うになれたなら。

そんな暖かな優しさが込められたこの曲は、実際に多くの人々の心を動かす1曲となりました。

歌の歌詞によるメッセージをシンプルに届ける、この映像はそんなMVとなっているのではないかと思います。

実際の楽曲をお聴きいただいたところで、早速楽曲の歌詞を解説していきましょう。

早速歌詞を見ていこう

薄紅の花が彩る別れの時…

薄紅の時を 彩る花びら
ひらひら舞う光の中  僕は笑えたはず
鮮やかな日々に  僕らが残した
砂の城は波に溶けて きっと夢が終わる

出典: 歌に形はないけれど/作詞:doriko 作曲:doriko

色鮮やかな花びらが視界いっぱいに舞う景色。

誰しもが一度は目にしたことのある光景なのではないでしょうか。

春に満開の桜が散る様を想像して頂ければ、きっとこの歌の情景に近いのではないかと思います。

ピンク色の花びらが散る中で、「僕」が誰かに、あるいは何かに向けた笑顔。

もしかしたら、うまく笑えていなかったかもしれないけれど。

悲しい気持ち、あるいは辛い気持ちの中で、無理にでも笑顔を見せようとしていたのかもしれません。

花が散る季節、春に訪れる悲しい気持ち。

この歌はもしかしたら、誰かとの別れの歌かもしれませんね。

彼らがこれまで共に過ごした日々のたくさんの思い出。

それすらもいつかは遠い過去のものになり、僕らの日々ももうすぐ終わりを迎えます。

何かを得る事、失う事

真っ白な世界で目を覚ませば
伸ばす腕は何もつかめない
見上げた空が近くなるほどに
僕は何を失った?

出典: 歌に形はないけれど/作詞:doriko 作曲:doriko

僕らが目覚めた時、まだ真っ白だったこの世界。

新しい場所へと飛び込んだ時は、みな一様に自分の目の前には真っ新な世界が広がっていることでしょう。

右も左もわからない、手を伸ばしても伸ばしても、何にも届かない。

そんな世界の中で、人は少しずつ真っ白な世界に自分だけの夢や目標を描いてゆくのです。

そうして少しずつ色鮮やかに、高みを帯びていく世界。

遠いと思っていたはずの空ですら、思っていた以上に近くなっていたこともあったでしょう。

自分だけの世界の中で、きっとこれまでたくさんのものを手に入れてきた「僕」。

ですがそれと同じくらいにに、彼には失ったものもあったようです。

人は、自分の腕で抱えきれるものには限界があります

何かを手に入れるには、時として何かを失うことが必要となるでしょう。

悲しいことですが、それはきっとこれからも変わることのない真実なのです。

今度は僕が君を助けるから

透通る波  映る僕らの影は蒼く遠く
あの日僕は世界を知り それは光となった
僕は歌うよ 笑顔をくれた君が泣いてるとき
ほんの少しだけでもいい 君の支えになりたい

僕が泣いてしまった日に
君がそうだったように

出典: 歌に形はないけれど/作詞:doriko 作曲:doriko

懐かしい日々の中で「僕」が思い出したのは、「君」と見たどこまでも続く青くて広い

キラキラと太陽の光を受けて反射する波、果てしなく続く水平線。

その光景は、彼にとって大きな希望となったようです。

世界は広くてどこまでも続いている、その事実が彼にとってのとなったのですね。

「僕」はもしかしたら、海の向こうに広がる大きな世界への憧れを強く持ったのかもしれません。

また同時に、彼は歌や音楽に強い力があることを信じているようにもうかがえます。

きっと彼自身が、歌や音楽に助けられたことがたくさんあったのでしょう。

この記事を読む皆さんも、時に音楽に救われたことがあったように。

彼を助けたのは、大切な存在である「君」の歌や音楽でした。

だから今度は僕の音楽で、大切な人を救いたい。

2人がたとえ離れてしまっても、遠い世界の向こうにいたとしても。

必ず「君」に、僕の音楽を届けてみせるから。

そんな彼の強い決意もうかがえるような、そんな歌詞となっていますね。