山路の絞り出すような切ない歌声で始まるこのフレーズ。

I betは会話や歌でよく使われる表現で、「~だろう」とか「きっと~だ」という意味です。

次のshe had knownは過去完了ですが、ここは単純に「彼女は知っていた」でしょう。

何を知っていたかといえば、thatの後ですね。

 I want herという表現も英語歌詞では頻出です。

彼女が欲しい」なんて奥ゆかしい日本人はまず言いませんが、英語では普通に使います。

彼女にゾッコンだ」くらいに取っておくといいでしょう。

というわけで、「彼女、きっと俺が彼女にゾッコンなことを知ってたに違いない」となりますね。

さっそく悪女の臭いがしてきました。

I can't help myself. She always makes me wonder, she makes me wonder

出典: She makes me wonder/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

I can't help myselfは「我慢できないよ」という慣用表現です。

「she」のことを思うともう居ても立っても居られないのでしょう。

残りのフレーズはタイトルと同じですね。

alwaysがあるので「彼女はいつでも僕を惑わせるんだ」くらいでいいでしょう。

というわけで、「我慢できないよ。彼女はいつでも僕を惑わせるんだ。

「she」はよほど誘惑上手なのでしょうか。

サビその2!

少しずつ増えていく音数

サビの2回し目にはギターのフィルインが入ってきます。

それでもベースドラムはまだまだ主張せず、ギターのフィルも単音のさびしいものです。

しかしそれがちょうど良いのです。

この辺りは本当に計算されつくしている部分です。

実はあまり知らない彼女?

But men, I know almost nothing about her, about her

出典: She makes me wonder/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

menは呼びかけの言葉なので特に意味はありません。

nothing「全く~ない」にalmost「ほとんど」がついて「ほとんど何も~ない」です。

I know almost nothingですから「ほとんど何も知らない」わけです。

何を知らないかというとabout herですね。

aboutは「~について」ですから「彼女について」です。

ですからここは「でもさ、俺は彼女についてほとんど何も知らないんだよ。」となります。

男友達と最近気になっている女の子の話でもしているのでしょうか。

歌詞のmenは聞く人に対して使っている場合も多いので、やっぱり一人なのかもしれません。

Oh, I know that she makes me wonder, she makes me wonder

出典: She makes me wonder/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

改めてタイトルのフレーズが繰り返されます。

I know thatがついているので直訳では「彼女は僕を惑わせているのを知っている」ですね。

I know that ~は会話表現で「~ということは分かってるんだ」というニュアンスです。

なのでここでは「ああ、彼女が僕を惑わせてるなんて分かってるんだ」という感じです。

心のどこかではsheが自分に振り向いてくれる訳がないと分かっている。

それでも諦めきれないくらいに「she」は魅力的なのでしょうか。

それとも男を惑わせる小悪魔的な女性なのでしょうか。

サビ以外に垣間見える「she」

The last word she said is "find me not"
to run away again

出典: She makes me wonder/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

サビ以外の部分では彼女の影に苦悩する主人公の様子が主に描かれます。

後半になると彼女の言葉も出てくるのですが、なかなか掴みどころのない様子です。

the last word she saidで「彼女の言った最後の言葉」ですね。

find me notという表現は詩的な命令文です。

探さないでね」「見つけないでね」と言っていますが、避けられているのでしょうか。

ただ、あえてdon't find meと言わないところを見るとそうでもありません。

don't find meというと非常にキツイ感じで「私を探すな!」です。

それに対してこの「~ me not」という表現は、愛のささやきでよく使う表現なのです。

Forget-me-notという言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

これはワスレナグサの別名であり、花言葉「私を忘れないで」でもあります。

「~ me not」は恋人に対する言葉なわけですね。

しかし結局彼女はrun away again「またどこかに行ってしまった」わけですね。

気を持たせておいて姿を眩ませる「she」……なかなかのやり手です。

山路の英語力が光る歌詞!

公表されていない歌詞

残念ながら、「She makes me wonder」の歌詞公表されていません

CDにもLPにも歌詞カードがなく、テレビで披露した際の歌詞テロップもサビのみでした。

各サブスクサイトにも未だに歌詞が掲載されていません。

残念ながら「歌詞を見ながら歌いたい」という方の希望は現時点では叶わないようです。