坂本冬美らしい恋の歌
リリースするとすぐ坂本冬美ファンを惹きつけました。
この曲は女性の熱い恋心を歌った曲です。
その歌詞に込められた愛、そして戸惑いといった複雑な感情。
ただ、好きなだけ、愛するだけにはいかない、人間の難しさ。
深い歌詞の世界観が広がっています。
今日はそんな「俺でいいのか」の歌詞を徹底解説します!
また、横山剣さんが出演したことでも話題になったPVも後で紹介します。
坂本冬美ファンは必見です!
私とあなたは釣り合っている?
愛してやまない
惚れた男(あんた)のためなら死ねる
すがりつくよな その目に惚れた
出典: 俺でいいのか/作詞:吉田旺 作曲:徳久浩司
さて、冒頭から愛する愛人への溢れる愛がこぼれています。
ありきたりな表現かもしれませんが、「死ねるほど」という表現が印象的です。
この人の命にかわって死ねるほどの恋をしたという人はどれくらいいるのでしょうか。
人間ですから、やはり自分の命は…という人も多いはず。
だからこそ「死ねる」と言われてしまえば少し衝撃的ですね。
そして次の歌詞。
お相手の目はどんな目なのでしょうか。
すがるように相手を見つめる時はどんな時でしょうか。
それはきっと同情していたり何かを必死にお願いしていたりする時だと思います。
ですから、ここでお相手が「情緒豊かな人」であることが分かるのです。
きっとこの女性は、すがるような告白に胸を打たれたのでしょう。
現代はクールである、冷静であることが「カッコよさ」になっているかもしれません。
ですが一生懸命、必死な人もまた「カッコいい」のです。
私は相応しい?
俺でいいのか いいのか俺で
出典: 俺でいいのか/作詞:吉田旺 作曲:徳久浩司
この曲のタイトルにもなっているフレーズが出てきました。
私でいいの?と聞いている。
「俺」はこの曲の一人称であって、女性自身のことだと思われます。
ここでいわれている、嘆かれていることはひとつです。
果たして、私はあなたの愛人として相応しいのでしょうか。
この悩みは現代の男女間でも多くの人の悩みになっているのではないでしょうか。
好き同士で付き合ったけれど、周りからの視線が暖かくない。
釣り合ってないんじゃない?のような会話が聞こえたりする。
そして破局してしまう。
そんなふうにいい男、いい女の相手になるとはいつも難しいものです。
この曲の主人公である女性も、同じ悩みに直面しています。
そして、直接聞いているのです。
私でいいの?と。
ニュワンス的には「私なんかでいいの?」の方が近いかもしれませんね。
そして男の返事が返ってきます。
男の返事は?
苦労承知と差し出す 蛇の目傘
眩しすぎるぜお前の咲顔
出典: 俺でいいのか/作詞:吉田旺 作曲:徳久浩司
さて、自分と愛人である男が釣り合っていないのではと悩む女性。
ここで男が、「嫌だ」といってしまっては元も子もないですね。
この曲の男はなんと返事したのか。
無言で「YES」をいったのです。
「苦労するのはわかっている」ということを言っていますね。
きっと女性はどこか抜けたところがあるお茶目な人なのでしょう。
母親として不器用な人、洗濯や料理が苦手な人をイメージすればいいと思います。
だからこそ、自分と男の釣り合いに悩んでいた。
しかし、そんなことは別にわかっているんだと、そう男は言っています。
そして静かに傘を差し出すのです。
こんなことをされては、それは女性の方もより深く惚れるに決まっています。
ちなみに「蛇の目の傘」とは骨の多い傘ですね。
昔の人がその傘を差している絵なり写真なりをよく目にすると思います。
2人で傘の下で手と手を取り合う様子が想像できますね。
2人で旅立つ
頼りなさの描写?!
2人ぽっちの門出の酒が
染めたうなじの細さに泣ける
出典: 俺でいいのか/作詞:吉田旺 作曲:徳久浩司
2番の歌詞を解説していきます。
この部分の歌詞は、少し遠回しな比喩表現も含まれているように思います。
さて、どうやら新しい旅立ちに向けて2人でお酒を飲んでいるようです。
1番の歌詞を踏まえると、結婚して新生活が始まるのかもしれませんね。
「門出」とは旅立つことです。
そして、うなじが染まるとはどういうことでしょうか。
これは、お酒で首元が赤く火照ることを意味していると思われます。
ぽっと赤くなる感じですね。
そのうなじ、すなわち首が細くて泣けてしまうといっているのです。
これはきっと、自分の頼りなさを感じているものと思われます。
家を守る女性には、支える力が必要。
日本の料亭の女将なども、少しふっくらした人が多いように思います。
これは、日本の妻の原型だと思うのです。
しかし、すぐ顔が赤くなってしまうくらい酒に弱く、体も細い自分。
頼りないな、と自分で自分を嘆いているのではないでしょうか。