ただひたすらに、強さと孤独を望んで
孤独な彼女を襲う恐怖、それでも
何故か胸が痛くなる
どうしよう どうしよう
こころ 苦しい
なんだか なんだか
孤独が無性に
せまって せまって
うなされるけど
灰に咲く 花のように
何度も目覚めて
出典: いばらのみち/作詞:中田裕二・松井五郎 作曲:中田裕二
強く生きることを誓った彼女を、突然の胸の痛みが襲います。
その正体はきっと、孤独に生きることへの不安や恐怖なのではないでしょうか。
人間誰しも、孤独の中で独り強く生きることの決意をそう易々とできるものではありません。
特に彼女は、以前なら涙を見せることもあるほどに人並みの弱さを持っていたのですから。
ですが今度の彼女は、以前とは違った姿を見せました。
襲い来る不安や恐怖と何度も何度も戦い、その度に自身の足で立ち上がっているのです。
その姿はまるで全てが焼け落ち「灰」となった荒廃した景色の中で、凛と咲く1輪の「花」のように。
身体に残る傷痕が示すものは?
だましだまされ
この世があるなら
決して消せない 傷痕さえ
誰のものでもない
いばらのみちだって
助けは呼ばないよ
涙から 生まれ変わった
かわいそうな わたしさよなら
どこまでも 生まれ変わって
かわいそうな わたしさよなら
出典: いばらのみち/作詞:中田裕二・松井五郎 作曲:中田裕二
彼女が自身に悲しい決意を強いなければいけなかったほどの出来事。
それはどうやら他の人物との「だましだまされ」た過去であったようです。
彼女の傷つき様から察するに、きっと心から信頼していた人物の裏切りだったのではないでしょうか。
信じていた相手から騙されたことにより、自身に付いた傷。
それはどれだけ時が経っても、綺麗に消えるものではないでしょう。
しかし彼女は、その消えない「傷痕」さえ誰の物でもなく自分のものだと主張しています。
強く言い切れるのは、彼女が強くなったからなのでしょうか。
それとも、信じた相手と共に過ごした証として「傷痕」だけでもいいから私の物にしておきたい。
そんな儚い願いも同時に込められているような、そんな言い回しのようにも感じます。
これから歩んでいく自分の道のり。過酷であることは彼女自身も百も承知であることでしょう。
どんなに苦しくても支えも助けも求めない。頼れるのは自分だけ。
繰り返される過去の弱い自分への決別の言葉は、彼女が自分自身に必死に言い聞かせている。
どこかそんなふうにも感じられるフレーズにもなっていますね。
最後に
いかがでしたか?
今回は椿屋四重奏の楽曲【いばらのみち】の歌詞について解説致しました。
過去の涙に暮れる弱い自分を捨て、孤独の存在として生きる強い自分を求める彼女。
多くの出来事に苦しみ傷ついてきた彼女は、強くなることで今度こそ笑顔で生きることができるのでしょうか。
物語を蚊帳の外から眺めるだけの私たちは、彼女の幸せを願うことしかできません。
孤高であることを望む彼女のその生き方が、たとえ間違っていたとしても。
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